ポップオーバー

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見た目はシュークリームの皮みたいだけど、中はもっとしっとりしてて、外はパリっとして、卵とバターの香りがしてちょっと卵っぽいクロワッサンみたいな風味。メープルシロップや蜂蜜、ジャムなんかをつけるのが一般的ですが、ハムとかはさんで塩味もいけます。私はアメリカの朝食アイテムの中でこれが一番好きです。が、おいしいポップオーバーは家で作らないと食べられない。レストランやベーカリーではめったに見かけないし、たとえあってもほんとにシュークリームの皮みたいに味気なかったりします。
それは、ポップオーバーが売り物にしにくいアイテムだから。ともかく焼けるのを待ち構えてすぐ食べなきゃいけないし(週末の朝、家族全員をたたき起こしてから焼く)、パンケーキみたいに短時間で焼けるわけじゃない。しかも、売り物になるような形をキープする焼き方だとドライになってしまいます。つまり「お店で売ってるような」パーフェクトなポップオーバーは美味しくない。
世界の美味を取り入れることへの熱心さでは世界一の日本でもポップオーバーの認知度が低いのは、たぶん美味しいポップオーバーを食べたことのある人が少ないから。実は本家本元のアメリカでも名前は知っていても食べたことない人のほうが多いんじゃないかと思う。
私が初めてポップオーバーを知ったのは30年近く前、アメリカに来たばかりのころ。友人宅でごちそうになったポップオーバーに感動して、自分でも作ってみたのですが、どうも最初の感動的な美味しさにはならない。その友人にもらったレシピをフォローしているのですが、なんだか美味しくない。それで、そのままほとんど作ることなく20年が経過。
最近になってふと思い出して作ってみました。20年前と違ってGoogleでちょっと検索すれば、たくさんのレシピやらコツやらが山のように出てきます。で、色々ためした結果、このやり方に落ち着きました。形はなぜかポップオーバーらしいシュー型ではなくて巻貝みたいなふくらみ方になるのですが、味は初めてのポップオーバーに勝るとも劣らないところまで到達。伝統的なポップオーバーの形に焼き上げる方法もあるのですが、それだとどうも食感がドライになってしまいます。売るわけじゃなし、形より味で勝負のポップオーバーです。
材料(マフィン型12個分)
卵(3個)
塩(小さじ1)
砂糖(小さじ2)
牛乳(1カップ/225cc)
バター(大さじ2)
中力粉(1カップ/225cc)*中力粉がなければ薄力粉で代用

1. オーブンを220度に温めておく。
2. マフィン型に指でバターを塗る(分量外)

IMG_23053. 卵と塩、砂糖を泡だて器で混ぜる。popover1popover2

 

4. 小麦粉をふるっておく。

popover55. 牛乳とバターを耐熱容器に入れて、電子レンジに1分かける(バターがとける)。

popover36. 3.に5.を少しずつ入れながら泡だて器で混ぜる。

popover47. ふるった小麦粉を加え、混ぜる(混ぜすぎないように)。

popover68. 種をマフィン型に注ぐ。

popover79. 220度のオーブンで13分焼く(途中で決してオーブンを開けないこと)。

popover810. オーブンを消し、そのまま5分おく(オーブンの扉は開けない)。

popover911. ポップオーバーを取り出し、ナイフで穴をあけてしぼむのを防ぐ。

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*一番大切なのはオーブンを途中で絶対あけないこと。膨らまなくなります。
*次に大切なのは種の温度。冷たいと膨らみません。冷蔵庫から出した卵を1分電子レンジにかけた牛乳を混ぜることでちょうどいい温度になります。
*型に塗るのは、バターが一番効果的です。風味もあるし、サラダ油よりもくっつきません。
*マフィン型を予めオーブンであたためておくと(その場合はバターは塗らず、温めた型にオイルをスプレーする)、シュー型に格好よく膨らみますが、食感がドライになります。このレシピだと、巻貝みたいな膨れ方になりますが、中身がしっとりとした美味しいポップオーバーになります。
*オーブンを消してから長くいれておくほど、オーブンから出したあとも形の保ちがよくなりますが、味は落ちます。ナイフで穴をあけることで、ある程度はつぶれるのを防ぐことができますが、完全に形をキープすることはできません。つまり、味か形がどっちかをとるしかない。これが売り物にしにくい理由の一つだと思います。

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エッグノック(eggnog)

IMG_1998カスタード味のスイーツを偏愛していながら、甘い酒ってのはどうもなあ、という葛藤から、毎年気になっていながら一度も味わったことも作ったこともなかったエッグノック。チャールズが毎年クリスマスになるとエッグノック、エッグノックとうるさいので、初めて作ってみました。もっと早く作ればよかった。もう危険な美味しさ。お酒だと思っちゃいけません。これはデザートです。
いつものようにグーグルの日本語版と英語版の両方で「エッグノック」と「eggnog」のレシピを検索してみたんですが、ちょっと面白い日米差を発見。日本ではエッグノックというのはホットドリンクとして認知されてるんですね。アメリカでは冷やして飲むものなんです。日本でエッグノックが主にホットドリンクとして認知されるにいたった理由はわかりませんが、これ、飲んでみれば明らかに冷たいバージョンの勝ちです。基本はミルクセーキあるいはカスタードソースにアルコールが入ったみたいなもんですが、ミルクセーキだってカスタードソースだって冷たいほうが美味しいし。
実は私もホットエッグノックが美味しいのじゃないかと思って、製作過程で温かいまま飲んでみました。家族にもサンプルを強要。で、まずくはないけど、なんだかな、な味なんです。特にアルコールがとがっていてツンツンする。ところが、これを冷やして、卵白のあわ立てたのを混ぜるともう別物のようにまろやかな味になって、危険危険。いくらでも飲めます。日本のレシピでは最後の卵白も入れてないのが多いけど、これがあるとないとでは大違いです。あと、生クリームをぬけば(日本のレシピは入れてないのが多い)、カロリーは抑えられるけど、どっちか美味しいかは、そりゃあ明白。こんなところでちょっとくらいカロリー抑えたところで意味ないくらい高カロリーなお飲み物ですから、ここは美味しさ追求ってことで。

材料

砂糖 大匙2~3
牛乳 1カップ

卵黄 2個
生クリーム 0.5カップ
ナツメグ 少々
バーボン 大匙3 (ブランデーやラムでもOK)

卵白 1~2個分
砂糖 大匙1~2

1.卵黄と砂糖を泡だて器で白っぽくなるまで混ぜる。
2.牛乳と生クリーム、ナツメグを鍋に入れ、沸騰寸前まで温める。
3.1)に2)を混ぜながら少しずつ加える。
4.全部混ぜたら、再び鍋にもどして中火にかける。
5.わずかにとろみがつくまで火を通す。
6.バーボンを加え、荒熱がとれたら冷蔵庫で冷やしておく。
7.飲む直前に卵白に砂糖を加えて角が立つまであわ立てる。
8.冷やした6)に混ぜ込む。

ちなみにこのレシピはフードネットワークのアルトン・ブラウンのものを半量にして計量単位を日本式になおしてあります。それにしてもオンスだとかパイントだとか世界に通じない非科学的単位を使うのはやめてほしいぞ、アメリカ。やめる気はないらしいけど。エッグノックのレシピは大きく分けて、卵を煮るバージョンと生バージョンがあって、生バージョンのほうが簡単です。でもカスタードは煮たほうが美味しいと思う、私は。実は、このほかにものすごく気になってるレシピがあります。それは、生卵、酒類、牛乳、生クリーム、砂糖をまぜて、何週間もねかせて作るんです。すごく美味しいらしいんだけど、ちょっと挑戦する勇気がない。レシピはここです。
http://www.chow.com/recipes/10758-best-eggnog

誰かやってみて。

こねないパン

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混ぜるだけでできるパンです。しかも材料は粉、塩、イースト、水だけ。後はエナメル加工の厚手のダッチオーブン(ルクルーゼなど)が必要です。味は本格的なカントリーブレッド。ただし時間はかかります。発酵時間が12時間。でも焼きたては本当に感動的な美味しさ。外はカリカリでなかはもっちり。これを知ってから、まったくパンを買わなくなりました。
材料 
強力粉 (3カップ)*
塩 (小さじ1)
イースト (小さじ0.5 )
水 (1.5カップ)

*カップはアメリカサイズの1カップ=225ccです。

1.  大きなボウルに水以外の材料をいれてよく混ぜてから、そこに水を注いで、ゴムべらで粉っぽさがなくなるまで混ぜます。

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2.ベタベタして、なめらかさのない生地ですが、これでかまいません。

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3.そのままラップをかけてキッチンに放置すると、3~4時間でこんな感じになります。

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4.夏場だったら8時間くらい、冬場は12時間くらいでこんな感じまで醗酵します。こうなったら一次醗酵終了ですが、この後何時間か放っておいても別に問題はありません。つまり醗酵時間は適当です。

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5.このパンを焼くにはエナメル加工の厚手のダッチオーブンが必要です。これを蓋をしたまま230度のオーブンで30分くらい空焼きして熱くします。

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6.鍋を空焼きしている間にパンを成形します。まな板でも天板でも適当なものに粉をたっぷりふっておきます。ふるというより広げるという感じ。

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7.そこにボウルで醗酵させた種をおきます。手を使うとくっつくのでゴムべらをつかってボウルからかきだします。

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8.手に粉をつけながら、丸くまとめます。そのまま2~30分二次醗酵させます。

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9.鍋が充分熱くなったら、鍋をオーブンから取り出し(ものすごく熱いので厚手のごっついキッチンミトンは必須です)、蓋をあけて、丸くまとめた種をいれます。ボトっと落とす感じです。多少変形しても焼き上がりは丸くなるので心配ありません。

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10.蓋をして、そのまま230度のオーブンで15~20分くらい焼きます。

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11.だんだんパンが焼けるいい匂いがしてきます。ここで鍋の蓋をとり、さらにキツネ色になるまで焼きます。5~10分くらいです。

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これはプレーンですが、ドライフルーツやナッツ、刻んだハーブやチーズを混ぜても美味しいです。そのときは一次醗酵させる前から混ぜ込んでおきます。

ひよこ豆のとうふ

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インターネットで見かけたひよこ豆を使った豆腐を作ってみました。豆を水に一晩つけておくのは他の料理と同じ。その後、新たに水をたしてミキサーにかけて粉砕してからさらしでこして、絞って、できた豆乳を火にかけるとクリームみたいに固まってきます。これを型に流して冷めると木綿豆腐くらいの硬さになります。味わいは驚くほど大豆の豆腐そっくり。ただ食感は豆腐のようなぷるんとした感じではなく、ちょっともっちりした感じ。豆の香りと甘さがあってそれなりに美味しい。

適当に水を足してミキサーにかけます。
適当に水を足してミキサーにかけます。
よく粉砕します。
よく粉砕します。

ふやかした豆をミキサーにかけて、さらしでこしてギュッとしぼります。

ギュッと絞る。
ギュッと絞る。

火にかけるとカスタードクリームみたいになるのですが、これがなかなか時間がかかります。失敗したんじゃないかなあ、と思うころにとろみがついてくるのでそのままカスタード状になるまで弱火で煮続けます。

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型にいれて冷ましておくとあっという間にかたまります。豆腐と違ってにがりで固まっているのではなく、でんぷんなので熱を加えるとまたとけてくるので、温かくして食べるにはあまり向かないかも。

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娘の誕生日

 

今週は娘の誕生日でした。来年からは大学でどこにいるかわからないし、今後一緒に暮らすことはおそらくもうないので、娘が手元にいる最後の誕生日、というわけで親としては、それなりに感慨無量であったのですが、本人の希望により何もしませんでした。本人はお友達数人と食事に行って、そのままお友達の家に泊まりに行ってしまいました。
 自分の過去を考えても、高校生になって誕生日に親とバースデーケーキを囲むなんてあり得なかったので、まあ当然といえば当然です。が、娘のバースデーケーキを作らなかったのは今年が初めてかもしれません。そもそも甘いものをあまり好まない子どもですが、誕生日は学校でも、ケーキを作ってきてくれたりする友達がいるので、それに対応するだけで精一杯なんだそうです。これもよくわかる。
 というわけで、写真は娘のバースデーケーキではなく、バースデーの2日前に、残っていたバタークリームを使い切るために作ったレインボーケーキです。色も甘味もアメリカンですが、バターの味がして(ケーキもバターたっぷり)薄く切って食べるとなかなか美味しい(と思う)。
 このケーキも娘は薄く一切れ食べただけですが、チャールズ息子はガッツリ二切れ、チャールズ娘は普通に一切れ、チャールズも二切れ。翌日はさすがに飽きたらしくて、子どもら3人は「いらない」と言ったのですが、チャールズは「お前たち、どこか具合が悪いんじゃないのか」と言いつつ、大きな一切れにバニラアイスクリームをごってり添えて食べていました。

ホームカミングとグリーンサルサ

 9月に新学期が始まると、すぐにホームカミングゲームがあります。これはアメリカの大学やハイスクールの一大イベントです。平たく言えばフットボールの試合なんですが、この日に限っては、全校生徒が参加するイベントが同時に行われるお祭り騒ぎとなります。日本の学校の文化祭に近い。
 娘が先週、誕生日どころじゃなかったのは、土曜日にホームカミングがあったためでもあります。学年対抗のパレード用の張りぼて作り作業が新学期とともに始まり、最後の追い込みでは泊り込み、早朝および深夜作業で、毎日ペイントだらけになって帰ってきました(相変わらず送り迎えは私なわけですが)。
 学年対抗パレードはそれぞれテーマがあって、今年は映画がテーマでシニア(12年生)は「ハリー・ポッター」。他の学年は「シュレック」や「トイストーリー」とかでした。作り物はパレードでかついで歩く張りぼてのセット(かなりでかい)と、校内にディスプレーする壁画です。パレードは張りぼてをかついで歩く係と登場人物の扮装をする係がいます。
 このパレードと壁画がコンテストの審査対象で、優勝した学年には賞金が出るそうです。これまでも毎年やっていましたが、娘は今年はシニア。最高学年としての威信がかかっているので、去年までとは比べ物にならないくらい力が入っていました。
 というわけで、この2週間、バイトも休み、学業も大学申し込み関係もそっちのけで張りぼて作りにいそしんでいたわけです。見ていて、高校、大学での文化祭の準備期間を思い出しました。私はあのせわしない興奮がとっても好きでした。

 写真は娘がホームカミングの準備のおやつにチップスとともに持っていったグリーンサルサ。グリーンマーケットで見つけたトマティロで初めて作ってみました。トマティロというのはほうずきみたいな皮をかぶったグリーントマトのようなもので、大きさはゴルフボールくらい。ほうずきの皮みたいなのをむくとちょっとベタベタしているのですが、見た目はまるで青いトマト。切ると、中はトマトというよりリンゴやナシみたいなサクっとした感じでリンゴに似た香りがします。トマトの香りはあまりしませんが、すっぱさはトマトっぽい。ハラペーニョ、オニオン、コリアンダー、塩と一緒にフードプロセッサーにかけるとサルサができます。チップスにつけても焼き魚に添えても美味しいです。

車とカップケーキ

 
 今度はカップケーキです。バタークリームのバラの搾り出しにはまりました。相変わらず仕事が暇なのでお菓子作りにかまけています。根が凝り性なので、こういう手先の仕事にはまると止まらなくなります。
 昭和30年代はデコレーションケーキというとバタークリームにバラがしぼりだしてあったのが定番で、私はあれが嫌いでした。40年代頃から日本のケーキはすっかり生クリームにとって代わられたので、その味の記憶もあやふやですが、なんだか油っぽくて妙にしょっぱかった覚えがあります。たぶん、塩分の入ったバターとかマーガリンやショートニングを使っていたのだろうと思います。
 アメリカに来て自分でバタークリームを作るようになって、バタークリームの美味しさに開眼しました。真面目に作れば美味しいんです。今時は日本でもきっと美味しいバタークリームケーキを作ってるところはいくらでもあるんだろうけど。で、バタークリームの楽しさは生クリームではできないデコレーションができること。
 アメリカのスイーツ業界は「お菓子は見た目だ」というのが基本コンセプトですから、それはおしゃれなデザインのカップケーキがいろいろあります。バタークリームを搾り出したバラが一輪、というシックなデザインのカップケーキを真似してみようとしたのですが、一輪で形になるほどうまくバラが搾れませんでした。で、ボロ隠しをしてるうちに写真のようなベルサイユ系盛り込みになってしまいました。
 バラの搾りかたは英語版グーグルで検索すると動画がたくさん出てきます。それを見るとすごく簡単そうなんですが、見るとやるとは大違い。不器用なアメリカ人にできるんだから、なんとかなるだろうと思ったのですが、アメリカ人だって器用な人は恐ろしく器用なのです。当たり前だけど。
 バタークリーム搾り出には当分はまりそうです。
 まったく関係ありませんが、車がアイドリングするときに妙な音がするようになりディーラーにもっていきました。音の問題じたいはたいしたことなかったんですが、いつものようにあれをなおせ、これをなおせというのが出てきて700ドル!別のメーカーの車に乗ってるチャールズもディーラーに行くたびに同じ目にあってるから、別に私がだまされているわけではないと思う。が、全然納得がいかない。いかないけど言われればなおさないわけにはいかない。これって歯医者と一緒だなあ。
 カーメカニックのお友達がほしい、とつくづく思います。