ジュニアプロム

2010年5月23日
 
 一昨日は娘のジュニアプロムでした。
 ハイスクールの卒業パーティ、プロムの存在は前から知っていましたが、卒業の前年、ジュニアイヤーの最後にジュニアプロムというものがあることは娘がハイスクールに入って初めて知りました。なんでまた2度もプロムが必要なんだ?と思いますが、娘によるとジュニアプロムはシニアプロムのファンドレージングが主な目的なんだそうです。最近のプロムはどこでもホテルのバンケットだったりクルーズだったり、結婚披露宴なみにお金がかかるパーティになるので、それに備えて会費をプールするのだそうです。ですからジュニアプロムの会場はたいていが学校のジム。お金をかけずにやって会費の大半は来年のシニアプロムの足しにするのだそうです。
 それでは、会場に合わせてジュニアプロムはカジュアルなパーティかというと、ところがどっこい一応プロムなのでフォーマルな装いが必須。学校によってもちがいますが、娘の学校では、本番のシニアプロムが男子はタキシードで女子はロングドレスで、ジュニアプロムは男子はスーツで女子は短いフォーマルドレスです。つまりプロム以後は親戚の結婚式でもないがぎり着用機会のないフォーマルドレスが2セット必要ということになります。
 そんな無駄なドレスなんかバジェット100ドルが限度だ、と言ってあったせいか、娘はお友達のお姉さんが2年前に着た高価なドレスを借りてきました。グッドジョブだ。シニアプロムもこの調子でどこかから借りてきてくれ。
 さて、プロムといえばお洋服以前に調達しなければならないのはパートナーです。特定のボーイフレンドやガールフレンドがいる子は簡単なんですが、そういう子は半数くらいでしょうか。意外と少ない。あとの決まった相手のない子は仲良しの友達の中からお互いにみつくろってパートナーを決めます。
 娘にはボーイフレンドはいません。が、ハイスクールの1年目の頃からとても仲良しの男の子がいます。当然、娘はその子とプロムに出かけました。この男の子は娘と年中一緒にいるので、まわりはボーイフレンドだと思っている人も多いのですが、本人いわくボーイフレンドではなく男の親友だそうです。別に嘘をつく必要は何もないので、実際にそうなのでしょう。(ご存知の方も多いとは思いますが、英語でボーイフレンド、ガールフレンドというのは恋人、つまりカレシ、カノジョでありお友達ではありません)。ボーイフレンドだと何かと束縛が多くなるし、特別な恋愛感情もないのに無理してボーイフレンドをもつ必要はない、という娘の言い分はしごくもっとも。
 が、これがお父さんたちには理解できない。
「女の子の方はともかく、ティーンエイジャー男子が女の子と『お友達』になんかなりたいわけがない」
と言い張る。あげくのはてには
「そいつゲイなんじゃないのか」
とまで言い出す。面白いことに元夫もチャールズもまるっきり性格が違うのに、まるで口裏を合わせたように同じことを言います。それが娘には大変うっとうしいらしいのですが、お父っつぁんたちには、どうしても女の『お友達』というのが理解できない。
「お友達になろうと思って女の子に話かける男なんていないんだよ。50代だって60代だってそんなヤツいないんだよ。ましてティーンエイジャーでそんな男がいるわけないだろう」
というのがお父さんたちの理屈です。「オレはそんな無駄なことしたことねえ」というわけなのでしょう。
 アメリカでも草食男子系が増えているのかもしれません。でも、彼らは決して女の子に縁がないわけではありません。むしろその逆です。たとえば娘の親友男子は去年のシニアプロムに2歳年上の女友達のエスコートとして出席しています。自分の学年に適当な相手が見つからない場合は年下の男の子をプロムのためのパートナーとして調達する女子もいるわけです。彼はそれだけ優しくていいヤツなのでしょう。
 娘と同い年のチャールズの息子も今年はジュニアプロムです。決まったガールフレンドはいませんが、やはり友達の女の子とジュニアプロムに出かけました。チャールズも日頃から息子の話に女の子が登場するたびに「その子はお前のガールフレンドか?」ときいては、「なんで、女の子だといちいちガールフレンドじゃなきゃならないんだよ。」とうるさがられています。
 ちなみにチャールズの息子も、今年のシニアプロムに1学年上の女の子のパートナーとしてかりだされて出席する予定です。そんなことはチャールズが学生時代には考えられなかったことだそうです。どうも、今時の男の子たちは、お父さんたちの世代に比べて女の子をゲットするのに努力する必要がないようなのです。だから、お父さんたちのように自分専属の女の子を確保しなければという必然性を感じていないのです、きっと。
 そういえば、アメリカの大学生は現在55%くらいが女子で男子不足なため、女子の方が積極的に出ないとボーイフレンドをゲットできないという話を読んだ覚えがあります。男子の方は声をかけられるままに、とっかえひっかえが可能なんだそうです。まだまだ女子の学歴が男より遅れていた1960~70年代に学生をしていたお父さんたちとは今や状況が違うわけです。
 娘の学年は大学入学希望人口が最も多い大学入学最激戦学年ですが、女子にとってはパートナー獲得激戦期というダブルパンチをくらっていることになります。娘にはどっちもがんばってほしいものです。
 ともかくも娘もチャールズ息子も『お友達』と楽しそうにジュニアプロムにでかけていきました。
 もちろん当日の準備はお約束の母の血圧上昇イベント満載でした。当日になって髪が化粧がと大騒ぎする娘。電熱式のカーラーがないから髪がセットできない、とまるでカーラーを用意していなかったのは「お母さんのせいだ」といわんばかり。相変わらずです。当日まで忘れていたのは自分だろうが、と険悪になる。
 結局はしまいこんであった普通のカーラーで私が巻いてやって縦ロール作り。最後に頼れるのはお母さんだけなんだからね、よく肝に銘じておくように。たまたま仕事もなくて暇だったので、マニキュア塗ったり、化粧したりお人形遊びみたいで結構楽しい。縦ロールは我ながら上出来な仕上がりだし。
 と思っていたら電話が鳴って、出てみるとまったく覚えのない花屋。娘のためのブートニアがなんやらと言っています。こちらは思い当たる節がないので、「はあ?」みたいな返事をしていると、チャールズと娘が揃って「言うの忘れてた」だと。なんでもジュニアプロムに一緒にでかけるパートナーの男の子のブートニアをこちらが用意して、男の子がコサージュを用意するんだそうで、もちろん前日まで忘れていた娘はたまたま私がいなかったのでチャールズに花屋への注文を頼んだ。そして、娘もチャールズも私に一言も言わずにいたというわけです。「普通の親は言わなくても用意してくれる」などとふざけたことをぬかす娘。また血圧が上がる。
 で、花屋の言うには「ブートニアはできてるけど、店は3時で閉めます」って、あと10分しかないじゃないか。花屋まではすぐに車をとばしても20分(よりによって遠い花屋に注文しているチャールズ)。とにかく待ってもらってとりに行きました。
 ブートニアってたかがバラの花一つにカスミ草かなんか添えて胸に留められるようにしただけのものが15ドルもします。きっとコサージュはもっと高いんだろうけど。
 来年のシニアプロムは、さらにリムジンだのアフターパーティだのいろんなものがついてきます。考えるだけで今からめんどくさい。アメリカの学校っていうのは、どうしてこうもいつまでも親がめんどうみなきゃいけないものが多いのでしょう。

みんなのごはん

3/20/2010
 チャールズには、うちの娘と同学年の息子と2歳下の娘がいます。みんな同じ学校に通っています。まったくの偶然で子供にとっては迷惑なことかもしれませんが、そう珍しいことではありません。「○○のお父さんは、××のお母さんとデートしてるんだって」というゴシップを娘からきくこともあります。もちろん、どっちも離婚しているわけですから別に悪いことをしてるわけではありませんが。
 まあ、それはともかく、最近チャールズの子供たちも週に何回か家にご飯を食べにくるようになりました。チャールズのところも、うちと同様に元妻が居住親権を100%もっていて、チャールズには平日2回と各週末の面会権があります。おそらく一番一般的な離婚後のセッティングでしょう。
 で、チャールズが同居するようになってから、たびたび我が家でみんなでご飯ということになったわけです。チャールズが一人暮らしだった頃はチャールズがご飯を作っていたのですが、彼のレパートリーは限られている。ハンバーガーとかスパゲティとか、サンドイッチとか。一つ一つは、それなりに美味しくできるんですが、問題は彼は一度に一品だけしかこなせないことにあります。これではとても私の食べたいもの、私の娘の食べられるものまでカバーすることはできないので、自然のなりゆきとして、台所は私がいっさい取り仕切るということになっています。
 私は料理をするのも人にご飯を食べさせるのも大好きなので、食べる人数が増えるのはそれなりに楽しいのですが、これが私の日本人の友人たちにご飯を作るのとはわけがちがう。みんなそれぞれに偏食だからです。
 まず、私の娘はアメリカの基準では何でも食べる方になるでしょうが、日本の基準では立派な偏食です。まず魚は一切食べない(小さい頃は好きでしたが、数年前鯖を食べたときにお腹に来るインフルエンザを発症してから魚の匂いが嫌だといって一切食べなくなった)。でも海老、カニ、ロブスターは好き。豚肉が嫌い(とんかつは食べる)。野菜はだいたい食べますが、アスパラガス、マッシュルームは嫌い(しいたけは刻んであれば食べる)。一般的に甘い味付けが嫌い。サラダにフルーツが入っているのは許せない。
 そしてチャールズの娘はベジタリアン。これは好き嫌いというより「動物を殺したくない」というやつで、日本では考えられないような「一人グリーンピース」を実践するティーンエイジャーや若者はアメリカにはかなり多い。こういうことをするのはもともと食べ物に執着がなく食も細い、という子が多いのですが、これの厄介なのは味の好みではないので、細かくすればわからないとか、料理方法を変えれば大丈夫というわけにいかないところにあります。肉汁もだめですから肉やチキンのスープが入っているものは後か肉を抜いても一切だめ。幸いビーガン(魚、乳製品、卵も食べない完全菜食主義)ではないので、魚や卵、乳製品は食べます。でも海老は嫌い。
 そして、チャールズの息子。彼はアメリカでも立派な偏食と言われるレベルで、食べられるものを数えた方が早い。魚は鮭の切り身の焼いたのやフィッシュスティック(タラのフライ)は食べる。肉は味付けがシンプルなら何の肉でも食べる。野菜はブロッコリとアスパラガス、グリーンピース、およびシンプルなレタスのサラダは食べられる。ジャガイモも食べる。トマトソースはトマトが見えず他に何もはいってないピューレ状のものだけ。トマトは食べない。たまねぎ、ピーマン、ナス、きのこなどはもちろん食べない。ともかく変わった味付けのものはだめ。
 で、お父さんのチャールズ。基本的に何でも食べますが、貝類とカニが嫌い(海老は好き)。アボカドが嫌い。
 というわけで、みんなが喜んで食べるおかずというのは不可能に近い。かつてチャールズは子供たちに何を作っていたかというと、パスタ(肉のないプレーンなもの)、マカロニ・アンド・チーズ(インスタント)、冷凍グリーンピース、何も乗せないトマトソースとチーズだけのピザ、鮭の切り身のブロイル(味付けは塩コショウのみ)、フィッシュスティック(冷凍)、蒸したブロッコリ、ハンバーガー(娘には冷凍のベジバーガー)、以上。ほぼこれの繰り返し。
 これだけでもかなり少ないですが、このうちフィッシュスティックと鮭は私の娘が食べません。現在は、全員に食べられる蛋白源と野菜が行き渡るように品数だけは結構並ぶことになりますが、アイテムのバリエーションは多くはありません。
 この前の日曜日のごはんは、チキンカツと海老フライにガンモ(具はグリンピースと人参だけ)、ブロッコリのゆでたの、枝豆(全員が好き)、ご飯。一昨日はタコス。チャールズの娘は肉のかわりにリフライドビーンズ。アボカドを使ったワカモレとかサルサとかチーズとか各自好きな組み合わせでいけるので、こういうのは1品でOK。
 白いご飯も全員が好きで、米の消費量がすごく増えました。それぞれ食べられるおかずが限られている分、子供たちは2膳分ずつくらい食べます。おかずが限られてないチャールズも米好きで、醤油をかけてガッツリ2膳。米はえらい。
 チャールズもですが、チャールズ以上に何でも食べられる私は、つい食べ過ぎることになるのが大きな問題です。しかも、チャールズ一家3人ともに甘党なのでデザートも必ずつきます。私と娘だけの頃はデザートはあったりなかったりで、フルーツがデザートということも多かったのですが、天下の大甘党チャールズはそれでは納得しません。アメリカでは果物はフルーツ・アンド・ベジタブルと、野菜とセットで身体にいい食べ物と考えられているので、デザートとは認められないらしいのです。ケーキとかクッキーとか、それも思いっきり甘いのじゃないと。しかも、チャールズにとってケーキやパイはそれだけでは完結しない。絶対にアイスクリームを添えないといけないものらしい。
 まあ、同じ量を食べるわけではありませんが、目の前にあれば、私もデザートを食べる。で、針金のように細い子供たちのおかげで、大人はカロリー摂取過剰となっています。

3/19/2010
 今週明けあたりから急に暖かくなりました。3月というのはニューヨークじゃまだ吹雪もきたりする冬なので、このままではすむまいと思うのですが、とりあえず今は不気味なくらい暖かい。昨日、今日は昼間は華氏60度(摂氏15度くらいか)を越える春のような陽気。昨日はマンハッタンからの帰りに駅で、ショートパンツにタンクトップのティーンエイジャーを見かけました。いくらなんでもそこまで暑くはなかろう、とあきれました。
 昼間はあったかいと言ったって、朝や日が暮れてからはぐっと冷え込み、夜中はたぶん零下。朝早くは霜がおりてるし。
 で、今朝の娘の学校へのお出かけのいでたちはクソ短いショートパンツにゴムゾーリ(上は一応ティーシャツにカーディガン)。朝7時の外気温は0℃。馬鹿です。学校に送っていったら、学校には似たような格好のティーンエイジャーがいっぱい。こいつらいったいどういう皮膚感覚をしてるんだか。

雹とコーラスライン

3/31/2009
 ゆうべ夜の8時頃、雷と稲妻とものすごい音で雨が降り出したと思ったら、雹でした。写真は降りが一段落したところで玄関前ですくってきた雹。東京に住んでいる頃は雹なんて見たことがありませんでしたが、こちらでは時々降ります。といっても、こんなにすごいのは珍しい。だいたい外を歩くということがあまりないので(移動は車なので)、雹にうたれたことはありませんが、こんなのが降ってるときにうっかり外にいたら、しゃれにならないくらい痛いと思う。今おもえば、話の種に軒先で試してみればよかった。
 コーラスラインは雹とは全然関係なくて、一昨日、観にいった娘の通うハイスクールのスクール・ミュージカルです。このあたりのハイスクールでは、どの学校でもたいがい生徒によるミュージカルが1年に1度は上演されているのですが、娘が関わっているわけではないのでこれまで観たことはありませんでした。今年はうちにもちょくちょく遊びにくる娘の友達が何人が出ているというし、演目が懐かしいコーラスラインなので観にいくことにしました。
 で、たまげました。上手い。そりゃあ、素人で子供の芝居ではありますが、知ってる子が出ていないとしても、充分楽しめる出来に仕上がっていました。ことに歌が達者なことは驚くばかり。中には、このまま本物のオーディションに持っていっても充分通用しそうな子もいたし、何よりもすごいのは下手くそがいないこと。ダンスはまだまだですが、それでもちゃんと歌って踊ってそれなりに見せるのだからたいしたもの。大人10ドル、学生5ドルのチケットは大変お買い得と思える内容でした。
 でもって、バンドがまたうまい。学校のミュージカルなんだから音は録音と思っていましたが、生のフルバンド。こちらには各楽器の先生とおぼしきプロも混じってはいましたが、大半は生徒で、オリジナルバージョンで演奏しています。上演中は暗くて見えなかったので、私はプロバンドを雇ってきたのだと思い込んでたくらいの出来です。
 うちの娘は音曲舞芸にまったく興味を示さずにここまできたため、私はこれまで学校のパフォーマンスといえばやる気のない吹き溜まりコーラス(学校の音楽で強制参加)しか観たことがありませんでした。やる気のある子どもがやりたいことをしてるというのは、それだけで楽しいものなんですね。
 ちなみに、アメリカのハイスクールには演劇部があるわけではなく、毎年、ステージごとにオーディションでキャストを決めます(演目はプロデューサーである教師が決める)。これはスポーツでも同じで、バレー部やサッカー部があるわけではなく、毎シーズンごとにトライアウトでメンバーが決まります。だから、歌もダンスもやったことないけどミュージカルが好きだからミュージカル部に入って練習したいです、というわけにはいきません。結果として、スポーツでも演劇でも毎年参加するメンバーはある程度決まってくるので、それなりのグループ帰属意識はあるでしょうが、あくまでも実力主義を前提にしたグループなので日本のクラブ活動とはずいぶん違います。
 歌でもダンスでも、ソロの出来に比べてコーラスや群舞になるといきなりあやしくなるのは、素人ゆえの技術の拙さもありますが、そういう学校の課外活動のあり方も無関係ではないと思います。とはいえこのステージのレベルの高さは実力主義あってのもので、どこにでもある普通のハイスクールで、これだけソロの演技と歌とダンスをこなせるキャストを揃えるアメリカのパフォーマー層の厚さということを思い知らされました。特に男の子。日本の普通の高校で、歌って踊って(ダンスは下手だか、とりあえず踊れる)演技する男子をこれだけの数で揃えられるところがどのくらいあるでしょうか。たいした脈絡もありませんが、舞台の男の子たちの楽しそうな様子を見て、若い男の子たちにとってアメリカはまだ日本より生きやすい状況にあるように思えました。

怒りの日その2

8/19/2008
前の続きです。
 お洋服売り場、靴売り場、トイレ、試着室、と娘が出没しそうなエリアはしらみつぶしに探しましたが、いない。もう誘拐されるような年じゃなし、どこかにいるに違いありません。怒りにまかせて、大声で名前を呼ぶ。反応なし。とにかく入り口のあたりでも見てみようと、入り口に向かうと、なんと後ろから娘がのっそりと出てきました。
 「いるって言ったところで待ってることもできないのか、お前はいったい何才だあっ!この忙しいのに、どんだけ時間を無駄にしたと思ってんのっ!」と、怒りにまかせて日本語で怒鳴りつけまくる。私のただならぬ般若顔と大声に、当然周囲の注目を浴びる。これが娘にとっちゃ一番いやなはずなので、思いっきりやる。
 怒りながら次のお買物、ステープルズへ。毎年のことですが、夏休み後半のステープルズはすごい混雑。アメリカの学校というのは、毎年各教科担当の先生から必要な学用品リストというのが指示されて、それを各自が新学年が始まるまでに用意することになっています。去年は100ドル以上もする計算機でのけぞりましたが、今年だって、全部足せば100ドル近くなる勢いです。バインダーが何個も、それにデバイダーだの、ホルダーポケット、特殊なノート、その他いろいろ。毎年思うのですが、どうして、こう学用品を毎年新しくしなくちゃならないんでしょう。学用品一つにもやたらと使い捨ての金をかけるのはやめてほしい。
 で、細かい指定のある学用品をやっと揃えてキャッシャーへ。これがまた混んでいる。いや、並んでる人数はたいしたことないんですけどね、全然進まない。のぞいてみると、もうスローモーションのように一つスキャンしては袋に入れというのを、のんびりとやっている。客それぞれがカートにいっぱいの買物をしてるんですから、これでは進まないはずです。
 やっと順番がまわってきて、商品をカウンターに乗せていく(アメリカでは買物カゴやカートから商品を出してカウンターに乗せるのは客の役目、詰めるのはキャッシャーの役目)。なにしろたくさんあるので、カウンターに乗りきらない分を両手にかかえながら、空になったカートをキャッシャーの向こう側に移動して、キャッシャーが詰めてくれた袋を乗せるべく、娘に「ちょっとカート動かして」と指示する。
 で、商品がスキャンされていくのを確認しながら、そろそろ袋がいっぱいになってきたので「カートに積んで」と言おうと思って振り返ると娘がいない。しかもカートもない。なんと、娘はカートを押して外のカート置き場に片付けに行ってしまったのでした。
 また、大声で娘を呼ぶ。「カート持ってきなさいっ!いそいでっ!何やってんのいったい。カートがなかったらこの荷物どうすると思ってんのっ!」
 娘の言い訳「お母さんがちゃんと言わなかったから」。
 「頭を使えっ頭を。言われなくてもそれくらい気がつくのが当たり前でしょっ!お前の頭にはおがくずがつまってんのかあっ!」
なおも「ちゃんと言わなかったお母さんが悪い」と言いつのる娘。
 「普通に考えればわかることまで、いちいち指示がなきゃできない人間なんて何の使い物にもならないだよっ!そんなやつは、あのどんくさいキャッシャーみたいにしかなれないんだからねっ!」
 ああ、もうどいつもこいつも。

怒りの日その1

8/18/2008
 数年前から出たり治ったりしていた首のうしろの湿疹が悪化したので医者に行きました。
 「これは、これまでの湿疹じゃなくて○○(聞き取れなかった)だと思う。でも、普通は顔に出るもんなんだけど首に出ることもあるのか調べてみるね」と行って、本を出してきて「ほら、そうだ」と見せてくれましたが、目の前で本を調べられるってのも「大丈夫か?」という気分になります。
 でもって、薬はこれまでのステロイド軟膏じゃなくて、抗生物質の軟膏を出すといい「高い薬だからジェネリックにしとくね」と言って処方箋を書いてくれました。ジェネリックで安上がりにしてくれるのは結構ですが、本当に診断は合ってるのか?「1、2週間たっても治らなかったら皮膚科を紹介する」そうです。アメリカの掛け金お手ごろな健康保険(ったって自由業の私の月々の掛け金は私1人分で月々300ドルを超えます)は、往々にして、どんな疾患でも、まずプライマリーケアの医者に行くことになっているので、こういう面倒なことになります。処方箋をもらったら、今度は薬屋です。
 いつもは、処方薬は急がないものは安上がりなネット薬局で、急ぐものは家の近所の薬屋で買っているのですが、家の近所の薬屋は高いことがわかっているので、今回は初めてターゲット(量販店)の薬局に行ってみることにしました。
 そろそろ夏休みも終わりなので、新学年の学用品ショッピングもついでにすることにして娘を連れていきました。
 さて、ターゲットです。処方薬カウンターに処方箋を持っていくと45分くらいかかると言われ、先にスーパーでショッピングをしてから戻ってくることにしました。娘はターゲットのコスメティック売り場で待っているといいます。
 で、買物をして45分後、ターゲットの処方薬カウンターに戻ると、なんとシャッターをしめかけている。「ちょっと、ちょっと」というと、「今、閉めるところだから」といいます。閉めるってまだ午後1時半。爆弾予告でもあったのか?「できあがってるはずの薬のピックアップにきただけだから」と無理矢理さがしてもらいながら事情をきくと、なんと1時間昼休みで閉めるんだと。だったら何でさっき45分後に取りに来いと言ったときにそれを言わないんだ?だいたい昼休みで閉めちゃう薬局なんてきいたことない。昼休みくらい交代でとれ、交代で。
 そして、薬の値段をきいて、のけぞりました。48ドル!。小さなチューブの軟膏1つが、しかもジェネリックなのにこのお値段。すでに医者ではコーペイメントという患者負担金(初診だろうと再診だろうと、1回医者に行く度に患者が自分で支払う料金)25ドルも払っています。あわせて70ドル以上。これで、効かなかったら、皮膚科医なんてとんでもありません。こんなクソ高い薬「当たるも八卦」方式で出すなっ!
 しかし、ここで怒っていてもはじまらないので、次のミッション、新学期学用品調達に迅速に向かうべくコスメティック売り場に娘を探しに行きました。
で、ご想像通り、娘はコスメティック売り場にはいやしませんでした。つづく。

がんばれ外人ガールズ

8/9/2008
  あっという間に3週間が過ぎて帰ってきました。ニューヨークは涼しい。朝晩は長袖が必要で、昼間もクーラーなしで快適。東京にいる方々には申し訳ないくらいです。今年の東京はえらく重苦しい暑さだったので、戻ってきてほっとしています。
  さて、大変な思いをしても外人ガール日本里帰りツアーをする目的の一つは日本語の習得。ここ数年、日本語の進歩の方はさっぱりですが(むしろ漢字力は退化している)、私なしで行動することが多くなったので、最低限の日本語会話を知らない大人と交わすという練習はできたようです。
  日本のファッション雑誌にはまった娘はViViという若い女の子向けのファッション誌を近所の本屋に買いに行きました。見あたらなかったので、店番のおばさんにたずねました。もちろん日本語で。
「ビビありますか?」
  おばさんは娘を見て言いました。
「カム・トゥモロウ」
  娘も日本人ですから、これが「明日来い」ってことじゃなくて、「It will come tomorrow」のことだってうのはわかったのですが、それにしてもなぜ?娘の日本語がよほどたどたどしく聞こえたんだろうか。それとも英会話の練習をしたかったんだろうか(外人ガールズはこの手の人々に時々つかまっていたようです)。
 
  娘の友達にきかれました。
「returnしたい時は何て言えばいいの?」
  return、つまり返品です。渋谷で買ったベルトをやっぱり気がかわったから返品したいという。これはアメリカなら大人でも子どもでも年中やってることです。クリスマスの後なんかは気に入らないプレゼントの返品で行列ができるってくらいです。が、日本じゃ慣習的に欠損品でもないかぎり返品なんでありえない。ということを説明したんですが、外人ガールズはこういうことではへこたれない。とにかくやってみるというので「返品」という言葉を教えました。
  で、返金はできませんでしたが、他の商品と交換してもらってきました。こういうことでは根性があります。
 
  日本から帰国して1週間、外人ガールズはすでに日本をなつかしがっています。いろんなところに買物にいけるのが楽しいのだそうです。すっかり日本のファッションにはまった娘がViViを定期購読したいと言い出しました。日本からお取り寄せとなるとえらく高くなりますが、娘が進んで日本語の出版物を読みたいなんていうのは初めてだ。日本語教材と思ってOKしました。で、後から娘の持って帰ってきたViViを開いて驚いた。字がない。あることはあるんですけどね、お洋服のスペックとか。記事と言えるほどの文章がまったく見事にない。いくらファッション誌とはいえ、ここまで字がない雑誌があるとはなあ。
  ついでに驚いたのは、どのモデルもどのポーズも、みーんな、足がわざとらしい内股。1冊全部内股。すっげえ気持ち悪いんですけど。お願いだからこういうのを真似しないでほしい。