結婚式の王道(その1:リハーサルディナー)

2010年7月26日
 チャールズの甥(姉の息子)の結婚式でニューハンプシャーに行ってきました。チャールズの甥っ子のお嫁さんは、彼がホンジュラスで教師(海外青年協力隊的な仕事らしい)をしているときに知り合った女性で、今は2人ともテキサスで教師をしています。ニューハンプシャーには新婦のおじさんのFarmがあって、そこで結婚式を挙げるというのです。
 チャールズ姉一家はオハイオに住んでいて、本人たちはテキサス、甥嫁の生まれ育ったのはコネチカットですから両家の親戚、新郎新婦の友人すべてが遠方から集結することになります。
 東京一極集中型の日本と違って、家族が全国各地に散らばるのが普通のアメリカでは、こういうケースはそう珍しくありません。ほぼ全員の出席者が泊りがけとなります。結婚式前夜にリハーサルディナーという夕食会もあるので2泊3日の旅です。
 ニューヨークからは車で5,6時間。まさにmiddle of no whereのなあんにもない田舎道を迷いながら宿泊先にたどりつき、あわてて着替えてリハーサルディナーへ。
 リハーサルディナーというのは結婚式前の親戚や親しい友人の顔合わせみたいなもので、結構フォーマルな形で行われます。チャールズは「リハーサルはいつするの?」ときいて笑われていましたが、結婚式のリハーサルをするわけではありません。
 リハーサルディナーは近くのレストランでやるものと思い込んでいたのですが、会場の地図に指定されていたのは結婚式会場とは別のfarm。それまで、素朴なウェディングを勝手に想像していたのですが、実は「素朴」なテイストの究極に贅沢なウェディングだということがこのあと徐々に判明していきます。
 親戚の宿泊場所となっていたのはゴルフリゾートで、そこまでは普通に舗装された道があるのですが、リハーサルディナー会場のファームもウェディング会場のファームも、そこからさらに山奥に進むことになり、いきない砂利道です。しかも結構な坂道。そして、もちろんその日はお約束の雨。
 前日まで晴天で「雨の確率20%しかなかったのに」ということでしたが、リハーサルディナーは雨。非科学的にちょっと責任を感じます。
 まあ、ともかく泥と砂利の道を不安になるくらい延々と進むとやっとあった「リハーサルディナーはここ」という立て札。ウェディング会場のファームはさらに奥ですが、この何マイルもの道そのものがファームの私道みたいなもので、途中には何もありません。
 リハーサルディナーは大きなBarnにテーブルをセットしてあり、ゲストも100名以上。相当大規模なリハーサルディナーです。新郎新婦にはこの日初めて会ったのですが、まさにhealthy and beautifulを絵に描いたようなカップル。いろんな意味で健康的で人当たりも良く、世の中にはこういう文句のつけようのないカップルっていうのがいるんだなあ、と妙に感心してしまいました。
 さて、Farmは農場と訳せますが、「自然に恵まれた広大な敷地をもつ農園風の別荘」という意味もあります。ここでのFarmは、後者です。新婦の叔父さんは農業を営んでいるわけではありません。広大な別荘をもっていて、新婦も小さい時からよく遊びにきていたということらしい。
 リハーサルディナーもウェディングも、ドレスコードはカジュアル。ジーンズやスニーカーじゃなきゃOK、男性もジャケット不要、と言われていました。カントリーウェディングですから。でも実は、ホテルのバンケットのブラックタイよりずっと贅沢なマーサ・スチュワート・パーフェクトなウェディングだったのでした。どうもチャールズ甥っ子は逆玉をゲットしたらしいのです。というわけで、その詳細は別項で。

やっと終わった

先週の土曜日、娘は最後のバーミツバに行きました。1年間のバーミツバイヤーもやっと終わったわけです。最後のバーミツバは夜のパーティで、お迎え指定時刻は夜中の12時半。カープールで、私は行きの担当でしたが、夜中の1時過ぎまで帰ってくるのを待っているだけでも疲れます。何度も言いますが、13歳児のためのパーティを夜中までやるなんて絶対に異常な感覚です。みんながそんなことを当たり前だと思っているニューヨーク郊外の常識は本当に変。
バーミツバに限らず子どもたちには、めくるめくような楽しいプランが次から次へと与えられます。とくにホリデーシーズンはすごい。バーミツバの前日も、娘は友達数人と一緒に、若い子に人気のFM局主催のジングルボールというコンサートに出かけていました。チケット発売後数分で完売というお宝チケットを、その友達のお母さんがコンピュータに張り付いてゲット。数人の子どもたちを連れて行ってくれました。オークションではチケットに数倍の値段がつく伝説的なティーンエイジャー向けコンサートなので、誘われれば行くなとも言えません。
この調子でパーティ三昧の暮らしを当たり前にしていく子どもたちは、将来どうやって、現実と折り合っていくのだろうと心配になります。10年後には金持ちでもないのに感覚だけはプチ・パリス・ヒルトンやプチ・ニコル・リッチーみたいになったら悲惨です。子どものうちに楽しさに免疫ができて、楽しみ感覚が麻痺したら不幸なんじゃなかろうか。
日本じゃ中学生は盆暮れ正月もなく受験勉強に明け暮れているのが常識です。それを知ってるだけによけい不安。理由はどうあれ、塾通いや受験勉強に追われる日本の環境は決して子どもにとって悪くはないように思えます。少なくとも夜中のパーティが当たり前の環境よりはずいぶん正常だと思う。

真夜中のパーティその2

さて、ブラックタイのバーミツバです。会場は古いお城をバンケット会場にした有名なレストラン。丘の上に建っているので、クネクネとした細いドライブウェイを上がっていくのですが、もうそこから大渋滞。玄関前の車寄せはバレー・パーキングするゲストの車と子供をドロップオフしにきた車でぎっしり。ドロップオフする車が子供を手前で下ろして狭い道をUターンして帰ろうとしたりするので、よけい大混乱。バレー・パーキングのスタッフは10人近くが走り回っていますが、あんなにゴタゴタしたバレーパーキングは初めてみました。古い建物なので、とにかく車寄せが狭い。ドライブウエイが狭い。そこにでかい4WDの車がわさわさいるわけですからもうすれ違うのも大変。片側は石の壁、反対には高そうなベンツのSUVが1インチくらいの隙間でピタっとつけていて、おまけに急勾配。緊張しました。
まあ子供たちは、そんな親の苦労なんて気にもかけずに意気揚々と出かけて行きました。
で、以下、帰ってきた娘の報告。これまでで一番豪華なパーティだったそうです。
「プリンセス・テーマのパーティでね、なにから何までカスタムメードなの。ナプキンもトイレのペーパータオルも『プリンセス・○○(そのこの名前)』がはいってて、ダンスフロアには大きくイニシャルがあってね、天井から大きな○○の写真がさがってて、シャンデリアでライトアップされてた。ドレスもカスタムメードでダイヤ(クリスタルという意味)がいっぱいついててスカートがすごく広がってるプリンセスドレス。バンドとDJと両方いた。アクティビティもいっぱいあった。モンタージュ写真がいろいろあって(顔だけすげかえて、いろいろな扮装の写真をマウスパッドその他の小物にプリントする)、すごいクールだったのはねワックスのハンドモルド。まず手を冷たい水に痛くなるくらい入れておいてからホットワックス(蝋)に入れると手の形ができるの(できあがった手型にトランプのクイーンを持たせてプラスティックのケースに入れてくれる)。」
持って帰ってきたおみやげは、プリンセスの名前入りスエットシャツ、馬車の形をした宝石入れ、好きな文字や絵をプリントしてもらったTシャツ(これもパーティのアクティビティ屋台の1つ)、パーティで作ってもらった手型、モンタージュ写真入りマウスパッド、その他こまごましたものいろいろ。
私が初めてバーミツバとはどんなものかを知ったのは、10年前の元夫の甥のバーミツバの時で、その時はレストラン貸しきり、DJ付きのフォーマルパーティというだけでたまげたものですが、今思えば簡素といってもいい部類だったのかも。昔はバーミツバなんてシナゴーグの集会場でちょっとしたパーティをやるだけだった、とかれこれ半世紀近く前にバーミツバをやった元夫は言っていましたが、バーミツバの派手になり方は、ここ10年でも留まることなく進行しているようです。

真夜中のパーティその1

9月に入り、娘はまたバーミツバがめじろおし。9月はなんと3回、ほとんど毎週末ですが、今週末はブラックタイのバーミツバ。ブラックタイといっても大人のドレスコードで子供は短いドレスでもかまわないのですが、とにかく豪華なパーティということです。セレモニーが朝の9時半からとあるので、当然そのままパーティと思い込んでいたのですが、招待状をよくみるとパーティは夜の7時から。つまり朝のセレモニーが終わったら1回家に帰って夜また着替えて出直してくるという設定です。バーミツバの中でも最も鬱陶しいセッティングとして話にはきいていたのですが、本当にあるとは思わなかった。しかも夜のパーティの終了予定は夜中の12時。バーミツバとしては珍しくはないらしいですが、13歳の子供が主役のパーティの終了が真夜中って、一般的な常識に立ち返ったら絶対おかしい。
しかもパーティ会場はきっちり30マイルは離れたところ。これはもう是が非でもカープールの相手をさがさねばと思い、強引に頼み込んでパーティ会場へのドライブは行きだけで済むことになりました。帰りに娘を迎えにいってくれるのは娘とは別に仲良しでもなんでもない子のお父さん。行きに娘と一緒に車にのせていく娘の友達のさらに友達のお父さんということになります。その車にはすでに子供を3人乗せて帰ってくることになっていたので、家の娘は最後に空いてた1席をゲットしたというわけです。娘はそのままお友達の家にお泊りです。この複雑なセッティングをするのにえらい神経をすり減らしました。
朝のセレモニーは行かないという子もいてカープールはできず、往復しました。バーミツバシーズンも終盤に近付き、慣れてくると長くて退屈なセレモニーは出ないでパーティだけ出席するという子も多くなってきます。うちでは一応方針として、バーミツバはセレモニーが主体なんだし、パーティだけなんて相手に失礼だからセレモニーは必須と言ってあるので、ドライブするのがめんどくさいから行くなとも言えません。
セレモニーの終わる時間はだいたい昼の12時から12時半くらいと聞いていたのですが、時間がはっきりしないので娘に携帯を持たせて連絡させることにしました。必要なときにかぎって携帯の充電をしてないのは娘のいつものことなので「携帯充電しときなさい」というと「まず携帯さがさなきゃ」とふざけたことを言います。結局みつかりませんでした。あれだけ大騒ぎしてお父さんを攻略して手に入れたくせに、いったい何のための携帯だ?家の中に絶対あるといいますが、とりあえず携帯紛失の罰として見つかるまでパソコンなし。が、心は既にパーティなのでいっこうにこたえてません。
セレモニーから帰ってくると、一緒に行くお友達もうちに来てドレスに着替えて、2人して念入りにお化粧とアクセサリー選び。そのわりには足元を見るとゴムぞうり。いくら子供とはいえブラックタイのパーティにゴムぞうりはなかろうと思うのですが、ティーンエイジャーはパーティでは靴は脱いで裸足(またはパーティ主催側が用意した靴下をはく)がお約束になってるので、どうでもいいらしいです。まあ、大人みたいにブランドものの靴かってくれろ、と大騒ぎされるよりはましなので、こっちは何にも言わない。

ブラックタイ

夏休みの間はバーミツバも一休みですが、すでに9月のバーミツバのご招待が来ています。そのうち一つは娘のエレメンタリースクール時代の親友のもの。このインビテーションカード(招待状)が素晴らしく豪華なもので、その子の幼児時代の写真をカラープリントした透かし紙(うまく説明できない)が表紙のようになって、全体にドライフラワーが散らしてあります。バー(バット)ミツバのインビテーションは結婚式なみにフォーマルなカスタムメードがお約束なので、いずれもそれなりに立派なものが来ますが、その中でも群を抜いて高価そうな凝ったデザイン。会場は昔のお城をリフォームした有名なバンケット・レストラン。で、隅っこの方に小さく表記されている「ブラックタイ」。
ブラックタイのバットミツバです。つまり、要ロングドレスってことです。物入りです。
もっとも、この子は小さいときからよく知っている子なので、さほど理不尽な感じはしません。6才からの友達なんだから。娘はお金だけじゃなくて、プレゼントも渡したいと言います。それも、納得がいきます。2人ともお互いのバースデーでは、相手のプレゼントにがっかりさせられることは1度もなかったんだそうです。必ず欲しいものをくれたし、自分も彼女の欲しがっているものを選んだといいます。
「鍵つきの秘密の箱をあげたときも、すごく喜んでた。毎朝、ビタミンを飲まなきゃいけなくて(その子は食べられるアイテムを10本の指で数えられるほどの偏食)大嫌いだったんだけど、ゴミ箱に捨てたらばれちゃうんだって。それで、秘密の箱にビタミンを何十個も隠してたんだよ」
いつまでも仲良くして欲しいもんです。

チョコレートファウンテン

相変わらず娘はバーミツバへのご招待で週末は大忙しですが、この週末に招待されたバーミツバではデザートの「チョコレート・ファウンテン」がすばらしかったのだそうです。
「これくらい(両手をいっぱいに拡げる)の大きなファウンテン(噴水)にチョコレートが流れてて、いろんなものにつけて食べるの。つけるのはねえ、バナナとパイナップルとイチゴとマシュマロ」
つまり巨大なチョコレートフォンデュが、ビュッフェテーブルに据えられていたらしい。バーミツバは子供が主役ですが、大人のゲストもかなりいるので、ビュッフェの場合、大人用と子供用のコーナーが別になっている場合が多いらしい。このチョコレートファウンテンも大人用のテーブルにあったのだそうです。
「アダルトのものは、子供は食べちゃいけないんだよ。でもベン(その日の主役)が、最初に取りに行ったらウエイターに『ソーリー、アダルトオンリー』って言われて、『これは僕のパーティーなんだ』って言っても『それでもアダルトオンリー』っていわれたから、ベンがお母さんに言って子供も食べられるようになったの。いっぱい食べた」
一斉に子供たちが群がって大人は手を出せない状況になったのが目に浮かびます。
バーミツバで子供が好きそうな安物系フード、ホットドッグとかチキンナゲットとかが用意されていることが多いのは知ってましたが、アダルトテーブルには子供立ち入り禁止というルールがあるとは知りませんでした(もちろんパーティーによって違うわけですが)。コストコントロールなんでしょうが、いかにも子供の喜びそうなアイテムを大人用に選んでしまったのが失敗だったわけですね。

パーティーガールの作り方

前項に書いた人気者の女の子のバットミツバの日、私はモールでお琴を弾くお仕事だったので、お迎えは仲良しのお友達のお母さんに頼んで、娘が先に帰宅。わたしが戻ったとき、既にシャワーを浴びて着替えていた娘は、見慣れないタンクトップを着ていました。派手なエアブラシペイントで、娘の名前がかっこよく入れてあります。バットミツバのお土産だそうです。以下、娘の報告。
「好きな柄を選んでTシャツに名前と一緒にペイントしてくれる人がいて、あとヘナ・タトゥー(特別な染料で本物そっくりのタトゥー)をしてくれる人もいたんだよ。ほら(二の腕にオレンジのタトゥー)。ほんとはずっとつけてないといけないんだけど早くはがしちゃったから、黒じゃなくてオレンジになっちゃったんだよ。カクテルタイムにはもちろんストロベリーダイキリとピニャコラーダがあったけど、タトゥーとTシャツをしてもらってたから、食べ物が何が出てたかは覚えてない(カクテルタイムにTシャツプリントとタトゥーの屋台が出ていたらしい)。でもね、ビュッフェじゃなくて、座って食べるディナーだった。ダンスしてるとね、『ファーストコースが出来ました』って呼ばれてテーブルに行くの。ファーストコースはシーザーサラダ。それからまたダンスして『メインコースが出来ました』って呼ばれる。メインはチキンとパスタで、パスタがすごく美味しかった。デザートは、すごくファンシーなアイスクリームとブラウニー。バーミツバケーキもあったけど、それは食べなかった。あとね、ウェイターが水のピッチャーじゃなくてソーダの入ったピッチャーを持ってきてリフィルしてくれるんだよ(ソーダ飲み放題)。子供はたくさんよばれてたよ。うちの学校からだけで73人いた(細かい)。あとキャンプの友達とかサッカーの友達とか他の学校の子も来てた。大人の数は覚えてない(10人、20人ではきかないのは明らか)。すごく楽しかった。最高のバーミツバだった」
そりゃあ、楽しかっただろう。500万円コースというところでしょうか。
まだ、娘が幼い頃、父方の文化だって教えた方がよかろうからヘブルスクールにも通わせようかな、とチラッと思ったことがあります。が、当の父親が全く興味を示さないので話はすぐに消えました。行かせてなくてよかったとしみじみ思う今日このごろ。

バーミツバ事情

まるで春のような暖かさはフェイントで、先週末あたりからすごく寒い。朝は零下5度(摂氏)くらい。昼間はなんとか氷点を越えますが、北風が冷たい。
さて、昨年暮れから始まった娘の学年のバーミツバシーズンはますます盛んで、今日も先週に引き続きバットミツバ(バーミツバの女の子バージョン)。4月もすでに2つご招待が来ています。今日のバットミツバは人気者の女の子のものなので、たくさんお友達が来ているからこの前と同じドレスで行くわけにはいかない、と娘は先週からごねていました。来年はもう同じものが着られなくなる育ち盛りの子供がフォーマルドレスを2着も3着も買うなんてとんでもないととりあわなかったのですが娘はお父さんを攻略して昨日ぎりぎりで新しいドレスをゲット。ゆうべからマニキュア、ペディキュアもおこたりなく、今朝も念入りに化粧してでかけて行きました(お父さんが本日のドライブ担当)。今日のバットミツバは、たいへんフォーマルな高級レストランを借り切ってのパーティーだそうです。
ホテルのバンケットだったり、カジュアルレストランだったり、会場に差はありますが、バーミツバは、どれも結婚式の披露宴なみの規模です。で、時間的には日本の披露宴よりずっと長い。これはこちらの結婚式でもそうで、披露宴のパーティーだけで5,6時間になります。バーミツバにしても、結婚式にしてもその前にセレモニーがあって、これが1時間以上はかかる。だから、バーミツバも始まりが9時半で終わりが5時という完全なフルデイ・イベントとなります。午後からのセレモニーとなると、パーティー終了後のお迎え指定時間が夜中の12時というのもめずらしくない。13歳の子供のパーティーの終了が真夜中ってのは、いかがなものかと思いますが、これはバーミツバが親の友人その他を招くものでもあるからのようです。このあたりも結婚式と事情が似ています。
出席するほうも物入りですが、主催する側は物入りどころじゃありません。飲食代だけでも控えめに見積もってお一人様50ドルから100ドルだとして、ゲスト100人で5000ドルから10000ドル。フォーマルなフルコースのこともビュッフェスタイルのこともありますが、レストランまたはクラブ貸切はもう、お約束みたいなもの。うちの娘は初めて出席したバーミツバで生まれて初めてキャビアを食べて「気持ち悪かった」と罰当たりなことを言っていました。ブルーベリーののっかったマフィンだと思って食べたのだそうです(キャビアのせブリニだった)。たしかにマフィンを期待してキャビアを食べたら気持ちわるかろうとは思います。
お飲み物も、大人は当然アルコールですが、子供はコーラやジュースでいいかというと、ところがどっこい、アルコール抜きのピニャコラーダとストロベリーダイキリが定番の人気ドリンク。アルコール抜きでも一応はフローズンカクテルですからお値段もそれなりのはず。
それからお花。セレモニーを行うテンプル、パーティー会場両方に花を飾ると(これは結婚式でもバーミツバでもお決まり)フラワーアレンジメントだけでお支払いは千ドル以上はかたい。
それから生バンドまたはDJが必須。場合によっては両方ということもありますが、結婚式では生バンド(結婚式の場合はセレモニーにはクラシックの四重奏、パーティーではポップス系とバンド2組ということもある)、バーミツバではDJが主流です。
このDJというのがアメリカならではの職種。パーティー屋さんとでもいいましょうか、たいがいが音響機材、パーティーグッズ、盛り上げ役の若いダンサー数人とセットになってやってきます。進行、音楽はもとより、ゲームを用意したり、パーティーの演出すべてを担当するわけです。バーミツバのように13歳の子供が主役で、40代50代の親、70代80代のおじいちゃんおばあちゃんと違う年代のゲストも多数のパーティーでは、子供に受けるゲームや選曲に加えて、中年むけのトリビアや、シニア向けのスローなダンスナンバーとかもいれたり、いろいろと工夫するわけです。配り物もパーティーのテーマによって、凝ればきりがありません。当然、セット価格でお支払いは数千ドルはかたい。DJは、さまざまなパーティーで需要がありますが、ニューヨーク近郊ではおそらくバーミツバが最も重要な稼ぎどころだと思われます。
で、お帰りにはお土産つきが、またお約束。これまで娘が持ち帰ったものには、パーティーでとった写真をかわいい紙製のフレームに入れたもの、空気を入れてふくらます実物大のギターの玩具とプラスティックのテンガロンハット、名前入りのTシャツ、プラスティックのネックレスなんかがありました。
こういうとてつもないパーティーに1年間、月1回以上の割合で出席するわけです。このあたりの13歳児は。もっと南のジューイッシュ密集地域では、ほぼ毎週に近いそうです。これって、絶対に異常です。やってる方だって異常だなあ、とう思いつつも、みんながやっててうちだけやらないわけにはいかない状態に陥ってるケースも多いと思うけど。

ドレスとお祝い

冷え込んでまいりました。なんだか紅葉らしい紅葉もないままに、例年より半月は遅れて木々もそろそろまるっぱげ。
 
バーミツバのお祝い金は、その後の調査の結果、18の倍数という習慣があることが判明。わたしが仏教徒であるのと同程度にしかユダヤ教徒じゃない元夫はもちろん情報源ではありません。いくらなんでも18ドルというのはあり得ないから、36ドルから始まるわけです。そのバーミツバの格式(つまりお金のかかり具合ってことです)と本人との親しさの度合いによって金額は上乗せされていくそうです。あまり親しくない相手なら36ドルでよかろうということですが、たとえば高級レストランやホテルで正餐パーティーとなるとたとえ親しくなくても36ドルっていうのはちょっとね、ということらしいです。
親しさでいえば36ドルですが、パーティーの格となると、よくわからない。一つはシナゴーグのイベント会場、もう一つはホテルのバンケット(儀式が行われるシナゴーグからホテルへは主催者側がバスをチャーターしてゲストを運ぶ)。ともかくうちは多くても54ドルってことで、100ドルなんてとんでもない金額でなくてよかった。っていったってうれしくないけど。
 
もう一つの出費、ドレスを購入しました。12歳というのは難しい年齢で、既に大人並みの身長になってる子はいいんですが、うちのように他の子より頭一つくらい小さいと身体に合うドレスなんてなかなかない。そりゃ小さい子供のドレスならあるんですが、娘は当然ふりふりのお子様ドレスなんか絶対着たくない。欲しいのはティーンエイジャーらしいクールなドレスです。あるんです、一応。でも高い。大人のサイズなら大人の安物ドレスを買えばいいんですが、大人のドレスをコピーしたデザインの子供服っていうのはえらく高い。親としては、今しか着られないお姫様風のドレスを着せたらどんなに可愛かろうと思うのですが、アメリカのティーンエイジャーは「可愛い」というコンセプトが嫌いです。子供のくせに何が何でもクール、つまりドレスなんかはセクシーなのがよろしいわけです。娘が選んだのもスレンダーなストラップドレス。ドレスは用意しましたが、あとは靴も必要です。ドレスシューズなんてパーティーでしか絶対はかないのに、ああもったいない。

またバーミツバ

11月だっていうのに、この暖かさはなに?2,3日のことなら結構な小春日和なんですが、こう続くと気味が悪い。11月になっても木の葉が残っていて、まともに紅葉すらしてないなんてニューヨークに20年近く暮らしていて初めてのことです。
娘にまたバーミツバの招待状が来ました。やっぱりわたしが聞いたことのない名前。しかも既に招待されてるバーミツバの翌週。これからこの調子で続々と来るかと思うと恐ろしい。
で、2週間連続となれば、違うドレスと娘が大騒ぎするのも目に見えています。ああもう鬱陶しい。
あと、いくら包むかっていうのが問題で。元夫は子供なんて25ドルで十分だ、といいますが、この人は自分のバーミツバの時代を基準にしているからあてにならない。25ドルはいまどき普通のバースデーパーティーに持っていくプレゼントの額。どう考えたってそれよりは多いだろうくらいは誰だって想像できます。まあ、50ドルくらいは包まないわけにはいかないだろう、と思っていたわけですが、ちょっと2,3人のお母さんたちに聞き取り調査をしてみたところ、100ドルという答えが続々かえってきました。ひゃくどる!12歳の子供が包むお祝いが百ドル!常軌を逸しています。バーミツバお祝い予算どう少なく見積もっても、この1年で千ドルは越えるってことか。