「気になる英語あれやこれや」第2回 『ハルメク』2016年6月号掲載

50代からの女性誌『ハルメク』に2016年から連載中のコラム「気になる英語あれやこれや」のバックナンバーを順次掲載しています。これは2年前、グルテンフリーが大流行していたころに書いたもの。今でも相変わらずグルテンフリーを実践しているアメリカ人はけっこういてグルテンフリー製品も定番化しています。
このコラムの最新版は『ハルメク』をご購読ください。(ウエブサイト:https://magazine.halmek.co.jp/ )

Stop Making Light of the Gluten-Free Diet
グルテンフリーダイエットを流行り物にしないで。

「~を含まない」を意味するフリー(free)はアメリカの健康食品のマジックワードです。Sugar free(無糖)、fat free(無脂肪)など、これまでもいろいろなトレンドがありましたが、ここ数年の流行はグルテンを断つグルテンフリー(gluten free)。グルテンとは小麦などの麦類に含まれるタンパク質で、グルテンフリーとは小麦を使った食品を食べないということ。芸能人の間でのブームから始まって、グルテンをやめたら、疲れにくくなった、肌がきれいになったなどの体験談からあっという間にfad diet(流行ダイエット)となりました。

今や、ニューヨークのレストランでは4人連れのグループがいれば、少なくとも1人はグルテンフリーがいると言われるほどで、グルテンフリーパスタをメニューに加えるイタリアンレストランすらめずらしくなくなっています。スーパーにはグルテンフリーコーナーができ、グルテンフリーブレッドからグルテンフリービールまで、グルテンフリー商品が大流行です
グルテンフリーは、もともとグルテンによって重篤なアレルギー反応を起こすセリアック病という自己免疫疾患に必要な食生活でした。アメリカでの罹患率が100人に1人程度といわれるセリアック病患者にとっては、このグルテンフリーブームは朗報かと思いきや、かえって「軽く見られるのが困る」という記事「Stop Making Light of the Gluten-Free Diet」(make light of/軽く見る)がハフィントンポスト(英語版)に掲載されていました。

セリアック病患者にとってはグルテンフリーは命がけのミッションです。調味料やスープに入っている小麦粉にまで神経をとがらせなければならないのですが、グルテンフリーブーム故にその深刻さが伝わらず、ただの健康オタク(health nut)扱いされがちだというのです。

グルテンに対する耐性がとくに低いわけではない普通の人にとっては、グルテンフリーが身体にいいという科学的根拠はありません。そもそもやせるためのダイエットではなく、体調が良くなったという本人の実感が主な拠り所です。実はアメリカ人には、グルテンに限らず炭水化物は食べない、肉は食べないなど、さまざまな「~フリー」実践者が多いのです。ですからパーティなどでは、誰でも食べられるものを1品は用意するのが、おもてなしの重要ポイントとなります。ベジタリアン料理は大分前から必須アイテムでしたが、最近はそれにグルテンフリーのアイテムも加わりました。しかし、同じキッチンで小麦粉を使っただけで反応してしまうセリアック病患者にとっては、これもたいして有難くないことかもしれません。

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投稿者: motokokuroda

アメリカ生活も四半世紀を超えました。お料理から政治まで、興味のおもむくままに。

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