ジャパンレールパスとJR East Pass

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今回の里帰りで、初めてジャパンレールパスを使いました。全国のJRが新幹線(「のぞみ」と「みずほ」以外)を含めて1週間乗り放題で29110円というお得なチケット(2週間46390円と3週間59350円もある)で、利用条件は日本を短期観光で訪れる海外居住者(外国人か海外永住者)であること。新幹線の指定券も無料で取れます。新幹線で京都まで往復しただけで2万円以上ですから、国内を旅して回るには圧倒的にお得です。が、使い方がちょっとめんどくさいのと、短期間でもとを取ろうとするあまり、やたらと移動の多い疲れるスケジュールを設定してへとへとになるという落とし穴があります。

ジャパンレールパスは海外でしか買えないことになっていて、私はニューヨークの日系旅行代理店で購入しました。購入時にも使用者のパスポートと同じフルネームが必要で名前を間違ってしまうと日本に行ってから使えなくなります。現地通貨で(ニューヨークは米ドル)料金を支払うと、名前入りのバウチャーみたいなものをくれます。このバウチャーを日本に持っていってJRの駅の引換所でジャパンレールパスに引き換えます。引き換え期間は購入から3ヵ月以内なので早めに買っておいても大丈夫です。使わなかった場合は3ヵ月以内なら払い戻しもできますが手数料を取られます。

使用期間の発効日は日本で引き換える時に指定して、その発効日から1週間乗り放題となります。成田の地下のJR乗り場のチケットセンターに外人が列をなしているのはジャパンレールパスの交換です。滞在が1週間以内なら成田エクスプレスから使えるので、到着したらすぐ交換がいいわけです。
が、私たちの場合は滞在が1週間以上で新幹線を使って旅をする日程に合わせて有効期間を指定したので、東京に着いた翌日に新宿の旅行センターで交換しました。引換所は東京だと、東京、渋谷、新宿といった主要駅にあって、新宿には成田みたいな列はなく、すぐに引き換えられました。ただし引き換え場所は大変わかりずらいので、事前にネットで場所を調べていった方がいいです。引き換えには必ず本人がパスポートとバウチャーを持って行くことになっているので、東京初日の朝にぞろぞろと全員で向かいました。

引き換え条件は昨年あたりから大変厳しくなっていて、以前には二重国籍の子どもは外国のパスポートを見せればOKだったそうなのですが、今は外国のパスポートに短期滞在のスタンプが必要です。つまり日本のパスポートで入国してしまうと使えなくなるわけです。永住者の場合もグリーンカードを見せるだけではなくて、居住を証明する書類が必要で、光熱費の請求書とか名前と住所を確認できるものを持っていきます。

さて、バウチャーを交換すると厚紙製のパスポート大のパスをくれます。いまどきの切符としてはなんともローテクで、自動検札機は通れません。名前入りではありますが紙製のパスですから、なくしたら再発行はしてくれません。国内で再購入もできないので、レールパス使いまくりの旅程をたてていて一人がパスをなくしたりすると、とんでもなくお金がかかることになります(やる気満々で新幹線にのりまくると10万円以上いってしまう)。というわけで、全員に(特にこどもたちに)「絶対になくすな」としつこいほど念をおしました。

レールパスの問題の1つは、日本にいる友達や家族と一緒に旅行しようとする場合に不便なことです。私鉄とJRの2つの選択肢があるところでは(東京から小田原とか京都から奈良とか)、たいていは私鉄のほうが安くて便利なんですが、レールパスがあると小田原なんか新幹線でいっちゃえということになります。が、普通はそんな不経済なことはしません。レールパス組はただなんだから気軽に新幹線となるので、宿代節約のために京都まで日帰りってことだってやりかねない(やらなかったけど、ちょっと考えた)。でも、レールパスを持ってない人がそれに付き合うと馬鹿馬鹿しく交通費が高くなってしまうのです。今回の旅では、日本に留学中のエリオットがレールパスを使えないことがネックでした(短期滞在ではないので、外国人でも使えない)。でも、それがなかったら、もっと使いまくりの忙しい旅を予定していたかもしれないので、結果的にはよかったのかも。新幹線とはいえ、移動は結構疲れます。

レールパスは指定席券も無料でとれますが、レールパスに交換してからでないと予約がとれないので、日程がわかっていても、日本に着くまで指定席をとることができません。発効日の書いてあるレールパスを見せれば、発効日前でも指定席がとれます。レールパスの交換には本人が行かなければなりませんが、指定席はレールパスさえ持っていけば、本人が行かなくともまとめてとることができます。今回は、当然私がいつも全員のレールパスをもってみどりの窓口にいっていたので、窓口でどの程度英語が通じるのかは不明です。指定席券をとるとその度にレールパスにスタンプがおされますが、何の意味があるのかはよくわかりません。

長野新幹線は6人で乗って、前日でも問題なく3人席2列がとれたのですが、とりにくいのは東海道新幹線。「のぞみ」に乗れないので利用できる新幹線の数がぐっと減ります(「のぞみ」と「みずほ」は追加料金を出して乗るということもできません)。わざわざ本数の少ない「ひかり」に乗る人は、理由があるから「のぞみ」でなく「ひかり」に乗っているわけで、みんな「ひかり」限定ねらいうちですから、「のぞみ」より指定席がとりにくくなります。1週間前の平日でも2人掛けの席はとれませんでした(3人掛けはけっこう空いている)。お一人様のビジネス客が2人掛けの窓際席を早い時期におさえているからだそうです。関西方面へは4人で行ったので、向かい合わせで乗れないのはちょっとつまりません。京都駅のみどりの窓口の人は、平日なら3人掛けの窓際と通路側をおさえておけば真ん中に来る人はいないだろうからと、中抜きでとってくれました。これは飛行機の隣を空席にする裏技としてもきいたことがあります。最悪の場合、真ん中に来た人に通路側か窓際との交換をオファーすれば断る人はまずいまい、というわけです。

「のぞみ」に乗れないと、広島までは直通で行けないのも不便。新大阪で30分以上乗り継ぎ時間が必要です。レールパスを使って旅するときは、ちょこちょこと途中下車しながら行くのが正解かも。新大阪からの山陽新幹線は「みずほ」には乗れないので「さくら」になりますが、これは「ひかり」よりも指定席はとりやすくて、前日でも2人席がとれました。

今回はメインの旅行先が長野だったので、調べていくうちに、ジャパンレールパス以外にもう1つの選択肢があるのを発見しました。ジャパンレールパスよりずっとマイナーなんですが、JR東日本が出してるJR East Passというのがあります。これはその名の通りJR東日本のテリトリーだけ乗り放題。新幹線だと長野、上越、東北、秋田に乗れますが、東海道新幹線は乗れません。が、伊豆急行とかJRに乗り入れしてる日光に行く東武とかも乗れます。使えるのは5日間ですが、発効日から14日間から好きな日を選べて22000円と使い勝手もよさそう。これだと新幹線で長野往復と成田エクスプレス往復だけで、もとがとれる勘定になります。

ただし、JR East Passの大きな問題は購入資格が外国人限定であること。私のような海外永住者は買えません。でも、夏の里帰りに軽井沢と伊豆に行こうなんていうときには外国籍のある家族の分だけでもお得になるので、外国人家族を連れての里帰りにはいいと思います。

ジャパンレールパスもJR East Passも有効日には首都圏のJR線ももちろん使えるのですが、首都圏内の移動はなかなかJRだけというわけにはいきません。私鉄や地下鉄も使うことになるので、東京では全員がSuicaとレールパスの両方を持って歩いていました。Suicaのおかげで外国人には限りなく不可能に近い切符購入が不用になったわけですが、レールパスとSuicaの使い分けは外国人には難しかろうと思います。首都圏を離れるとSuicaも使えなくなるわけで、さらにハードルが高い切符の現金購入が必要だし。今回は私がついていたので、「次はSuica出して」「今度はレールパスね」という具合にいちいち指示を出していたのですが、どれが私鉄でどれが地下鉄でどれがJRかなんて、私がいなかったら判断できなかったと思います。地下鉄東西線みたいにJRと乗り入れしているラインの精算だって問題です。

新幹線の乗り降りはレールパスを見せて通るだけなので本当に便利。ジャパンレールパスを使用するにはパスポートを携行することになっていて、新幹線ではパスポートの確認を求められることもあると聞いていたのですが、パスポートが必要なことはまったくありませんでした。どっちかというと、検札にしろ車掌さんにしろ、「できれば関わりたくないな」という雰囲気を醸し出していたので、よほどのことがないと呼び止められることはないと思われます。