プロムその2 (2011年6月25日)

 また、ぐっと間があいてしまいましたが、プロムの続きです。
 パートナーの次に必要なのはドレスです。男子はタキシードをレンタルするだけだから簡単ですが、女子はまずドレスを選ばなくちゃなりません。昨年のジュニアプロムでは、娘はお友達のお姉さんから借りてきてただで済ますというグッドジョブをしてのけたのですが、今年は適当な借り物がみつからず、結局ぎりぎりになってネットでオーダーしました。プロムはブラックタイですからロングドレスになるんですが、これがばかばかしく高い。
 たかだか1回こっきりしか着ない上に、ただのテロっとしたドレスなのに、どれも数百ドル。1回しか着ないんだから、誰かから借りられそうなもんなのですが、ロングドレスだと長さもぴったりじゃなきゃいけないし、身体にぴったりしたデザインなのでサイズが難しい。しかも、それなりに流行もあるので結局買うことになるわけです。
 娘やその友人たちのドレスを見ると、今年の流行はギリシャ・ローマ風のリラックスしたスタイルらしいです。娘のドレスはなんでもないオフホワイトのシンプルなドレスなんですが、これに決まるまでにあれこれ迷っていて、けっこうぎりぎりでした。
 このドレス選びが実は、ぎりぎりになるほど選択肢がせばまってくるのです。娘の学年は400人近くいます。半分が女子だとして200人近い子がいるので、同じドレスを避ける努力は必須です。そこで、ドレスを決めた子は、まずそのドレスを自分のフェイスブックにアップします。他の子はアップロードされたドレスを見て、他の子がどんな色のどんなドレスを着るかをチェックして、かぶらないようにするわけです。ですから、これもパートナー選びと同じで出遅れるほどチョイスは少なくなります。もっとも、この場合は選ぶのは自分ですから、ある程度まわりが出揃うのを待っていて傾向と対策を考えるという場合もありますが。
 女子のドレスはパートナーの男子も必ずチェックすることになっていて、ドレスの色に合わせてタキシードの色を決めたり(これはさすがに少ない)、ネクタイの色でコーディネートしたりします。少なくとも、女の子の手首につけるコサージュ(男の子が用意して贈ることになっている)はドレスに合わせたものにしなきゃなりません。
 で、ドレスが決まってもそのまま着られるわけじゃありません。娘は私と同じ身長でアメリカではエクストラ小柄ということになるので、まずドレスは丈つめしなきゃ着られません。裾だけじゃなくて、肩ひもとか長さはすべて要丈つめ。これを切ったり縫ったりするのもお母さんです。自分のことくらい自分でしてほしいものですが、娘は何にもできません。私が教えなかったからということもいえますが、私も母親に裁縫を習ったなんて覚えはありません。でも、少なくともボタンつけと雑なすそ上げくらいならできます。たしか小学校でも中学でも家庭科で、ボタンつけや裾まつりくらいは習った覚えがあるし、手芸は嫌いではなかったので、縫うことの基本はいつのまにか覚えたのだと思います。娘は料理と同じで、手芸にまったく興味をもちませんでした。ついでに言えば、鶴も折れません。

 話がどんどんそれますが、アメリカの学校の家庭科(Home Economics)では、ボタンつけとか裾あげとか基本的なことを教えないので、興味を持って自主的に習った子以外は基礎的な裁縫を習うチャンスがないのです。お料理にしてもそうで、マフィンとかクッキーとかどうでもいいようなものは実習があったりするのですが、本当に生活に必要な野菜や肉や穀物の調理なんか全然やりません。だから、ボタンつけができないのは娘1人ではなく、おそらく娘の友達の大半が似たようなものです。若い子だけではなくて、チャールズもできないし、元夫もできませんでした。彼らは大人ですから、シャツのボタンがとれて困れば自分でつけていましたが、その付け方はただついているというもので、足をつけるとか玉止めの仕方とか全く知りません。
 子どもの頃には、家庭科なんて退屈なことばっかりやらされてつまらないと思っていましたが、今思えば、日本の家庭科のカリキュラムはよくできていました。裁縫は雑巾を縫うことから、料理は目玉焼きとホウレン草の油炒めから、というのはまことに順当です。

 話をもとに戻すと、息をする間もないくらい忙しい間をぬってドレスの丈つめをし、ドレスに合う靴をさがし、一緒に買い物にいき、ブートニア(パートナーの胸に飾る花で、ジュニアプロムではこれで一騒動あった)を注文してとりに行きと、雑用の多いこと多いこと。当日はもちろん、髪がうまくいかない、バッグは、アクセサリーは、という「なんでぎりぎりになって言うかな」の連続。
 男子の場合は着るものは簡単ですが、必需品は車です。車がなければパートナーを迎えにいくことができません。車がないのは首がないのも同じ。この辺は車がないとどこにもいけないので、免許のとれる17歳になれば、自分用の車(たいていは親のおさがり)を与えられている子も多いのですが、ない子でも親の車を借りできます。中には、この日だけお父さんの秘蔵のコンバーティブルを借りてくる子もいます。
 プロムには、ストレッチリムジンを雇うのが普通という学校もあるようですが、娘の学校ではプロム会場(マンハッタン)までは全員が学校からバスで行くことに決まっています。飲酒運転やその他のトラブルを避けるための方法だと思いますが、往復ともバスで例外は認められません。
 では男子が気合を入れて調達した車でいったいどこに行くのかというと、まずプレプロムです。プロムの前にプレプロムという親も参加する写真撮影会のような簡単なパーティがあります。これは非公式なものなので仲良しグループの中の誰かの親がボランティアでホストになります。仲良しグループといっても、たいていは2~30人の子供プラスその両親という大人数ですから、大きな庭のあるリッチな家庭でなければできません。上の写真は、そのプレプロムで撮影したものです。1時間ほどのプレプロムの後に子どもたちはそれぞれ学校に向かい、そこからバスでプロムにでかけていきます。
 プロムのパーティはだいたい7時か8時ごろに始まり、深夜に終了。娘の学校では、その日はアフタープロムのパーティはなく、まっすぐバスで帰ってきます。
 で、翌朝改めてアフタープロムの週末旅行に出かけていきます。これもプレプロムと同じく非公式ですが、ほとんどの子が行きます。プレプロムとほぼ同じメンバーで、ジャージーショアやペンシルバニア、キャッツキルといった車で2時間から4時間くらいのリゾート地の貸し別荘を借りて2泊します。確実に定員以上で泊まるので寝袋持参です。まったく大人の監視のない2~30人のティーンエイジャーの卒業旅行ですから、初めて聞いたときは、そんなもんどこの親が行かせんだよ?と思いますが、これもみんな行くのでまさか自分の子だけ行くなとも言えないし、どこの親も「○○ちゃんも行くんなら」という感じになるようです。みんな無事に楽しそうに帰ってきたし、まあ、よかったよかったってことで。

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投稿者: motokokuroda

アメリカ生活も四半世紀を超えました。お料理から政治まで、興味のおもむくままに。

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