プロムその1(2011年6月19日)

 ブログ放置3ヶ月以上を記録してしまいました。3月半ばの震災時期に日本に帰国して以来の更新です。こんなに長期にわたってほったらかしだったのは震災とはまったく無関係で、帰国以来ずっと、がけっぷちの忙しさが続いていたからです。帰国以来、休日ゼロ。ここまで毎日が土俵ぎわぎりぎり、大テンパイというのも初めてかもしれません。ここにきて、ちょっとお仕事が落ち着いてきたかな、と思ったら娘の行事があれこれ目白おしです。
 その一つがプロム。日本でもよく知られているハイスクールの卒業パーティです。別に親がパーティに行くわけじゃないんですが、ドレスが、靴が、ブートニアがと、まあ細かい用事が多いこと、多いこと。
 でも、いろいろ面白くもあったので、長くなりますが、ニューヨーク郊外プロム事情を書きます。プロムは学校によって、その方針もカルチャーもまちまちなので娘のケースとはまったく違うところもあるでしょうが、まあ一例ってことで。
 プロムといえば、まず必要なのはパートナーです。ジュニアプロム(3年生のプロム)でもそうでしたが、決まったボーイフレンドやガールフレンドがいる子は別として、決まった相手がいない場合はまずパートナーを決めなければなりません。娘の話の感じだと、半数以上がこのフリーカテゴリーに入るようです。ジュニアプロムでは仲良しの男の子と適当にコンビを組んでいたのですが、本番プロムとなると、このパートナー選びがなかなかのイベントなのです。
 これが、いまどき完全な男子主導となっていてちょっとしたプロポーズ合戦です。女子は待ってるだけ。こんなところにもアメリカのマッチョ文化の片鱗がみられます。このプロポーズ大作戦は、実はなかなかソーシャルスキルを必要とします。まず、プロムが終わった後のアフタープロムはだいたい仲良しのグループで一緒に行動するので、相手も同じグループに属することが望ましい。これである程度は的がしぼられてくるわけですが、正しい自己評価ができないと、釣り合った相手であると相手も周囲も認めるターゲットを定めることができないのです。
 お付き合いする相手ではなく、ただのパーティの形式上のパートナーですから、「一緒にプロムに行ってくれませんか」といわれた女子は、そこそこ気に入ってる相手なら(仲良しのお友達なら)まず断わることはありません。つまり早いもん勝ちです。とはいってもかちあってしまっては負けることもあるわけですし、断わられたら痛いので、まずOKが鉄板かどうか当たりをつけるのが第一歩です。この時点で根回し調査をする場合も多いらしい。このプロポーズ大作戦は4月ぐらいから始まるのですが、誰か1人が始めると全員がパニックになってなだれをうったようにあっちでもこっちでもパートナー獲得大合戦になるのだそうです。なにしろ基本は早いもん勝ちですから。
 そして相手を決めたら、今度はどうやってお誘いするか、というギミックを考えなくちゃいけないのだそうです。ただ「僕とプロム行かない?」ときくのはあり得ないらしい。なにかしらトリックを考えるのが基本です。
 娘のパートナーになった子のトリックは凝っていました。ある日、娘は校内放送で事務所に呼び出されました。「なんか悪いことしたのか」と思ったそうですが(身に覚えがあるんだな)、事務所に行ったら、「これが届いている」と渡されたのはポケモンカード。ちゃんと袋に入ったままの新しいものです。差出人も何もない。「なんじゃこれは?」と思った娘が開けてみると、中もそのままポケモンカード。ところが何枚目かのカードのピカチューが、ピカチューのパジャマを着ている3歳の娘になっていたのです。このピカチューパジャマ写真は私も初めて見るもので、娘の保育園時代のお友達がフェイスブックにのせていたのでした。それを探し出してダウンロードして貼り込んだらしい。で、さらにカードをめくっていくとチャーマンダーのきぐるみを着た小僧(本人)。そして次のカードに「僕とプロムに行きませんか。」と名前が書いてあったのでした。このポケモンカードの袋をどうやって開封前の状態にしたのかはいまだに謎です。
 こういうトリックを思いつかないとか、出遅れてそれどころじゃない、という場合には、花束の一つも持って、ひざまづいて「僕とプロムに行ってくれませんか」とお願いするんだそうです。ちなみに、このクラシックなプロポーズスタイルは、日本じゃきいたことがありませんが、アメリカには今でも実際にやる男が結構います。プロポーズの定番です。
 娘はこのパートナー獲得合戦の皮切りになったそうで、あっさり決まってしまったのですが、この第一波が来ると男子たちは、みんなあわてます。「まだ3ヶ月近くあるじゃん」といってのんびり構えていたチャールズ息子も3日もしないうちに、去年一緒にジュニアプロムに行った子を、定番花束でゲット。ここで出遅れると、目当てにしていた女の子をとられてしまい、プランB、プランCへの展開を余儀なくされるので大変です。また、ターゲットを見誤ると、2度3度とリジェクトされるという痛い目にもあわなきゃならない。
 が、男子はまだいいのです。リジェクトされようが何だろうが、めげずにいけばなんとかなります。待ってるだけ、という女子はもっとつらい。娘がポケモンカードのお誘いを受けで、とても嬉しそうに「I was the first one to be asked」と言って帰ってきた時は、自慢というより(まあ自慢でもあるんでしょうが)ほっとしたという感じでした。完全にあぶれるとは思ってなかったでしょうが、同じグループにいる納得のいく相手で、となると、まわりが決まっていけばやきもきしなきゃならないわけです。日本の学校じゃ絶対認められないような過酷なソーシャルレースです。
 で、パートナーが決まると次はお約束のドレスが、靴が、って話になるのですが、続きは次で。

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投稿者: motokokuroda

アメリカ生活も四半世紀を超えました。お料理から政治まで、興味のおもむくままに。

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