結婚式の王道(番外編:ゴルフナチ)

2010年7月26日
 さて、リハーサルディナーから一夜明けて翌日はいよいよ結婚式ですが、式は4時からですから、それまでは自由に過ごすことになります。昨夜の大雨が嘘のような晴天。はっきり言って尋常じゃなく暑い。
 その暑い中、チャールズの弟夫婦がゴルフをしよう、と言います。私はゴルフなんてしたことがありません。「誰もコースに出たことないんだから大丈夫」って、それのどこが大丈夫なんだ?が、チャールズは乗り気。「ずっと前に練習場でレッスンしたことがある」そうで、「一度コースに出てみたかった」のだそうです。結局、弟夫婦とその息子およびチャールズがプレイして、私はそれを見物することにしました。
 驚いたことにゴルフ場では、non-golferばっかり4人のグループと、正直申告しても受け付けてくれたのでした。9ホール1ラウンド1名当たり24ドル、ゴルフクラブのレンタルが1セット当たり15ドル。左きき用のクラブはボロいのしかないから只だそうです。おそらく日本に比べたらずいぶん安いのだろうと思います。
 が、もちろん全然大丈夫じゃなかった。進まない。そもそも4人というmaxの人数のグループで全員がおぼつかないんですから当然です。週末ですからティータイムは20分おきくらいに次のグループがスタートします。30分たっても1番ホールが終わらないので、ゴルフ場のスタッフがカートでやってきて1ホール「10分以内にするように」と注意されました。
 憤慨するチャールズと弟夫婦。「初心者が練習するチャンスがなかったら、上手くなれないじゃないか」「後のグループには先に行ってもらえばいいんだよ」と無視する。
 まあ、それももっともなんですが、1グループに先に行ってもらっても、2グループの間に割り込んでいる形になるのですぐに次が来る。結局次から次へと3番ホールにたどりつくまでに、すでに3グループに抜かれる。
 さらに、そこにゴルフカートに乗って子どもたちがやってきました。彼らはテニスをやっていたのですが、暑かったのでゴルフカードに乗って親を冷やかしにきたらしい。たちまち現われるスタッフ。「ゴルファー以外は立ち入り禁止」と注意される。
 が、そこで憤慨する子どもたち。「受付ではゴルフ場に出るならカートに乗っていけって言われたんだよ。ちゃんとお金を払ってレンタルしてきたのに」という。これもしごくもっとも。どうもゴルフ場現場スタッフと受付のコミュニケーションがうまくいってないらしい。
「ゴルファー以外は立ち入り禁止」といポリシーにより、実は見物人の私もマークされる。1回くらい代わりに打ってみたら、と言われてチャールズの借りたクラブを振り回していたら、またたちまち同じスタッフがカートをとばしてきて注意される。
「どうしてわかったんだよ?ウエブカメラで監視してるんじゃねえの?」とチャールズ弟。「1人よけいにプレイしてるわけじゃなくて、交代で打ってるんだからいいじゃない。これじゃ楽しめないじゃないの」と憤慨する弟嫁。
 受付では9ホールの所要時間はnon-golferなら2時間と言われましたが、2時間経過時点でまだ5番ホール。ウェディングに間に合わないので中途リタイアとなりました。
 コース途中から帰るためにカートでグリーンを横切っていたら、また例のスタッフが飛んできて「Are you lost?」と慇懃に注意される。
 実は、後からチャールズの従兄弟もこのゴルフ場スタッフに注意されていたことが判明。彼は、息子と一緒にグリーンで早朝にフリスビーの練習をしていたのでした(ふつう、怒られるだろう、それは)。チャールズと従兄弟は、このゴルフ場スタッフを「ゴルフ・ナチ」と名付けていました。きっと彼にしてみれば、私らはguests from hellなのであろうと思われます。
 
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結婚式の王道(その1:リハーサルディナー)

2010年7月26日
 チャールズの甥(姉の息子)の結婚式でニューハンプシャーに行ってきました。チャールズの甥っ子のお嫁さんは、彼がホンジュラスで教師(海外青年協力隊的な仕事らしい)をしているときに知り合った女性で、今は2人ともテキサスで教師をしています。ニューハンプシャーには新婦のおじさんのFarmがあって、そこで結婚式を挙げるというのです。
 チャールズ姉一家はオハイオに住んでいて、本人たちはテキサス、甥嫁の生まれ育ったのはコネチカットですから両家の親戚、新郎新婦の友人すべてが遠方から集結することになります。
 東京一極集中型の日本と違って、家族が全国各地に散らばるのが普通のアメリカでは、こういうケースはそう珍しくありません。ほぼ全員の出席者が泊りがけとなります。結婚式前夜にリハーサルディナーという夕食会もあるので2泊3日の旅です。
 ニューヨークからは車で5,6時間。まさにmiddle of no whereのなあんにもない田舎道を迷いながら宿泊先にたどりつき、あわてて着替えてリハーサルディナーへ。
 リハーサルディナーというのは結婚式前の親戚や親しい友人の顔合わせみたいなもので、結構フォーマルな形で行われます。チャールズは「リハーサルはいつするの?」ときいて笑われていましたが、結婚式のリハーサルをするわけではありません。
 リハーサルディナーは近くのレストランでやるものと思い込んでいたのですが、会場の地図に指定されていたのは結婚式会場とは別のfarm。それまで、素朴なウェディングを勝手に想像していたのですが、実は「素朴」なテイストの究極に贅沢なウェディングだということがこのあと徐々に判明していきます。
 親戚の宿泊場所となっていたのはゴルフリゾートで、そこまでは普通に舗装された道があるのですが、リハーサルディナー会場のファームもウェディング会場のファームも、そこからさらに山奥に進むことになり、いきない砂利道です。しかも結構な坂道。そして、もちろんその日はお約束の雨。
 前日まで晴天で「雨の確率20%しかなかったのに」ということでしたが、リハーサルディナーは雨。非科学的にちょっと責任を感じます。
 まあ、ともかく泥と砂利の道を不安になるくらい延々と進むとやっとあった「リハーサルディナーはここ」という立て札。ウェディング会場のファームはさらに奥ですが、この何マイルもの道そのものがファームの私道みたいなもので、途中には何もありません。
 リハーサルディナーは大きなBarnにテーブルをセットしてあり、ゲストも100名以上。相当大規模なリハーサルディナーです。新郎新婦にはこの日初めて会ったのですが、まさにhealthy and beautifulを絵に描いたようなカップル。いろんな意味で健康的で人当たりも良く、世の中にはこういう文句のつけようのないカップルっていうのがいるんだなあ、と妙に感心してしまいました。
 さて、Farmは農場と訳せますが、「自然に恵まれた広大な敷地をもつ農園風の別荘」という意味もあります。ここでのFarmは、後者です。新婦の叔父さんは農業を営んでいるわけではありません。広大な別荘をもっていて、新婦も小さい時からよく遊びにきていたということらしい。
 リハーサルディナーもウェディングも、ドレスコードはカジュアル。ジーンズやスニーカーじゃなきゃOK、男性もジャケット不要、と言われていました。カントリーウェディングですから。でも実は、ホテルのバンケットのブラックタイよりずっと贅沢なマーサ・スチュワート・パーフェクトなウェディングだったのでした。どうもチャールズ甥っ子は逆玉をゲットしたらしいのです。というわけで、その詳細は別項で。

耳虫

2010年7月26日
 夏の里帰りからバタバタとやたらとあわただしくて、ブログもほったらかしで1ヶ月以上。ちょっと一息ついたので、いろいろまとめていきます。
 日本も大変な猛暑らしいですが、今年はアメリカ東海岸もとんでもなく蒸し暑い。例年なら私が冷房を入れる日は合計でせいぜい2週間くらいなもの、それも昼間だけなのですが、今月は朝から夜中まで毎日冷房が入りっぱなし。暑さもさることながら、湿気がただごとではありません。まるで東京の夏みたい。
 というわけで毎晩寝苦しい夜が続いていて、寝付けずにウトウトしていた晩のこと。耳元でごそごそっと音がしました。で、なんだか耳に入ったような気がする。髪の毛が耳に入るのはよくあることなので手でふりはらってみましたが、髪の毛ではない。まさかと思いましたが、あきらかに何かが耳の中でごそごそ動いているのです。虫が飛び込んだらしい。指でかきだそうとしたって、そもそも耳に指がはいるわけがない。そういえば虫は明るいところに寄るのだと思いつき、慌てて起き上がって電気をつけて電気の方向に耳を向けても、ますます激しく動きまわるだけで一向に出て行きません。
 こうやって書いていると何でもないようですが、もちろんそのときは大パニックです。なにしろ得体の知れないものに鼓膜をつつかれてるんですから。で、もう目くらめっぽう耳を下にして頭を振ってみました。耳に水が入ったときの要領で。すると、ボタッと何かか落ちる感じがしました。虫なら飛んでいくはずなのに、なぜボタっと落ちるんだ?と思いつつ下を見るとなんと、羽虫ではなく這う系統の虫が床に落ちていたのでした。
 羽虫だって気持ち悪いですが、気持ち悪さでは這う系統の虫の方が数段上です。どういう虫かということは翌朝判明します。
 
 翌朝、この虫の話をチャールズにすると、「それはearwig?」ときくのです。なんだ、そのイヤーウィグっていうのは?「ぼくもよく知らないけど耳の虫だよ」といってサーチすると、ありました。Wikipediaに。写真を見るとまさにこれ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Earwig
ウィキペディアの写真を見てもらえばわかりますが、これが耳から落ちてきたときの驚きといったらもう。基本的にしめったところを好む虫で地下室とか猫トイレの下とかで這っているのを見かけると、即座に退治せずにはいられない気持ち悪い虫です。
で、ウィキペディアによると、
「It is a common urban legend that earwigs crawl into the human ear and lay eggs in the brain.」って、とんでもない都市伝説もあるらしいですが、実際は「There is no evidence that they transmit diseases to humans or other animals. Their pincers are commonly believed to be dangerous, but in reality even the curved pincers of males cause little harm to humans」で、無害なんだそうです。
「Finding earwigs in the human ear is rare, as most species do not fly and prefer dark and damp areas (e.g., basements) rather than typical bedrooms」って、実際に耳に入ることはめったにないらしいんですが、少なくともEARWIG(耳虫くらいな意味)という名前がついたくらいだから昔はよくあったんじゃないかと思います。この蒸し暑さで2階にあるベッドルームまでベースメント並みの湿気になったってことなのでしょう。
 ちなみにウィキペディアってオリジナルがあって翻訳しているというわけではなく、各国語がそれぞれ勝手に編集しているので、リンクする内容が言語によってまったく違います。日本語版のウィキペディアにリンクすると、ハサミムシとして出ているだけで耳関連の都市伝説にはいっさい触れられていません。日本では耳には入らなかったんだろうか。
 

キャデラックランチ

2010年6月20日
 Cadillac Ranch(http://caddyranch.com/index.html)というカントリーウエスタン・クラブに行ってきました。東海岸最大のカントリーウエスタン・レストラン&ダンスクラブだそうです。
 なんでまたカントリーウエスタンかというのは長い話になりまして、気の短い方は次の段落とばしてください。
 コミュニティセンターのエクササイズのクラスにLine Danceというのがありまして、私はてっきりラインダンスというのはロケッツとか宝塚みたいな並んで踊るやつだと思い、昔やってたジャズダンスみたいなのができるかもと行ってみたら、講師はカウボーイブーツのビール腹のおっさんだったのでした。日本でラインダンスといえばカンカン踊りみたいなものですが、アメリカでラインダンスといえばまずカントリーウエスタンのダンスのことだとそこで初めて知りました。人生の半分近くをアメリカで暮らしてもなお、この手の勘違いはよくあります。でもまあ、それはそれでおもしろいかも、と思って1クール(5回コース)はとったのですが、エクササイズとしては物足りないのでそれきりになっていました。ところが、そのクラスにいた人と今度は別のクラス(ラテンダンス・エクササイズ)でばったりと再開し、カントリーウエスタンのダンスクラブにみんなで行くから一緒に行こうと誘われたのでした。アメリカの常として、こういうソーシャルプランはカップル参加が基本ですから、気乗りがしなさそうなチャールズを有無をいわさず連れていきました。
 で、このキャデラック・ランチ、大変おもしろい体験でした。仕方なくついてきたはずのチャールズもおおいに楽しんでいました。なにが面白いかというと、これがまるで東海岸に出現したテキサスの異空間なのです。車で1時間ちょっとのところなのですが、まるで飛行機で旅行でもしてきたような異文化体験。
 場所はコネチカット州の真ん中。つまりニューイングランドのど真ん中にあって、ハイウェイ沿いのなあんにもない所に唐突に出現するでっかいbarn(納屋)のような建物。まだ7時半だというのにこれも巨大な(でも舗装もなんにもしてない)駐車場には車がいっぱい。カバーチャージは1人あたり5ドル(安い)。中もドドーンと広くてロデオマシンやビリヤード台の間を抜けていくと、これまた巨大なダンスフロアがあって、すでにかなりの人数が踊っていました。ラインダンスがディスコダンスと違うのは曲によって振り付けが明確に決まっている点です。全員がユニゾンで同じ振りを踊ってるので、なんだか不思議な雰囲気です。振りそのものは難しくはないのですが、方向がくるくる変わるのでステップを覚えないと見よう見まねだけで踊るのは難しい。が、覚えてしまえば80歳90歳でも全然平気です。実際に真っ赤なブーツも鮮やかな白髪のおばあさんや70代のカップルがたくさんいました。
 レッスンタイムもあって、ステップを一つ一つ教えてくれるので、とりあえず初心者でも習った踊りは踊れます。でも次々にかかる曲はすべて違う振りがついているので、フロアで踊っている常連さんたちは相当長く通っているのでしょう。
 最初は平均年齢60歳以上だったフロアも、だんだん夜が更けるにつれて若い子が多くなってきて20代はもとよりティーンエイジャーみたいな子の姿まで見えるようになってきました。で、みんな結構ノリノリでラインダンスを踊っている。このテンガロンハットのトラボルタみたいなお兄ちゃんたちはいったい昼間はどこにひそんでいるのでしょう。テキサスならともかく、このあたりではまず見かけないタイプなのに。
 そして、この夜なによりもたまげたのは、宴もたけなわになる9時ごろ、突然アナウンスがあって「oh say, can you see…」と国歌が高らかに鳴り響いたことです。国歌がかかります、というアナウンスがあると客全員が一斉に立ち上がり(これは野球場でもどこでもそうだけど)テンガロンハットを胸にあて国歌斉唱するのです。こういう時は一人座ってるわけにもいかないから一緒に立ってはいるわけですが、本当に居心地が悪い。私はこの手の強制的なパトリオティズムというのが大嫌いです。
 まあ、日本のバーやダンスクラブで、突然「君が代」がかかるなんてことは、まずありえませんが、ここは学校で国家に忠誠を誓わせるのが日課になってる国ですから、あってもおかしくはありません。こういうのが苦手なリベラル派のチャールズもたまげていましたが、他の客はごく普通にやっていたのをみるとカントリーの本場では珍しくないのかも。
 そしてもう1つ、新聞か雑誌で読んだことはあるけど、この夜初めて見たのが「ショット」。ウェイトレスがトレイにのせた色とりどりの試験管みたいなのを運んできて「ショットはいかが」と売ってまわるのです。何がはいってるんだかわけがわからないけど、とにかくハードリカーのミックス(たぶん安物のウォッカとかラム)で、これを1ショットで飲むという若者のドリンクです。こういう30過ぎたらまず飲まないような怪しげなドリンクを売ってるくらい若い客も多いらしい。
 さて、ダンスフロアのセンターは1人で踊るダンスのユニゾンになっていますが、その周囲を回りながら踊るのはカップルです。つまり1つの曲にシングル用のダンスとカップル用のダンスと2つの振りがついています。カップルで踊る方が実は振りは単純ですが、上級者になると間にくるくる回ったりしています。その中で、際立って巧みにクルクル回っているカップル、というか女の子をグルグルまわしている限りなくおじいさんに近いおじさんが1人。
 最初に気付いたのはチャールズです。
「あのじいさん、次から次へと違う若い女の子と踊ってる。」
たしかに、このおじいさんの相手は20歳前後と思われるスタイル抜群の女の子ばっかり。しかも1曲ごとに相手が違う。どの子もラインダンスにかぎらずダンスがかなりうまいのは一目でわかります。うまくなるほど相手もうまくないとつまらないわけで、ダンスのパートナーとしては若いイケメンより上手に踊らせてくれるじいさん、となるのでしょう。ダンスのできる男子は慢性的に不足してますから、もてたい男はパートナーが必要なダンスをやるのが一番です。
 チャールズにもぜひダンスを練習してうまくなってほしいので
「ほらね、ダンスができるとあんなおじいさんでも若い女の子にもてるんだよ」
と言ってみたのですが、ダンスに行くとなれば私がもれなくついてくるので、あんまりモチベーションにはならないな。

おスモーさんプチ家出

2010年6月11日
2010年6月11日
 
家のグレー猫、おスモーがデッキに出る網戸を開けているのではないか、という疑惑が浮上したのは2週間前のことです。娘が外から帰ってきたら、外には出さないはずのおスモーがデッキで和んでいた、というのです。デッキに出る引き戸の網戸は10センチ足らずのちょうど猫の頭が通るくらい開いていたといいます。
家には外出禁止にしている猫が2匹いますからドアの開け閉めには全員がかなり気をつけているので開けっ放しにするはずはありません。が、家のデッキに出る引き戸は大変たてつけが悪い、というか老化してます(新しくすると2000ドル近い出費となるのでもう2年越しでほったらかし)。開け閉めに力がいる上に、網戸は特にゆがみが出て慎重にしめないと下にわずかな隙間ができます。そこで、おスモーがそのわずかな隙間に手をつっこんで開けたのではないかと思われているわけです。しかしその現場を見たものはないし、たてつけが悪い網戸で、そうスムーズに開くわけでもないので半信半疑でした。
そして、今日、チャールズがおボーがデッキにボケッと立っているのを発見。チャールズが名前をよぶと本人もいけないことがわかっているらしく、あわてて中に戻ってきました。ところがおスモーの姿が見えない。あわててあちこち探してみましたが、家の中にはいない。もう一度デッキに出てみると、ちょうどおスモーがデッキに戻ってくるところでした。いったいどこまで行っていたものか。
 これでもうおスモーが網戸を開けられることは確実となりました。ふすまや障子を開ける猫は珍しくない、閉めるようになると化けて出るといいますが、それにしてもなあ。
 実は、2週間前の脱走未遂事件があったので、今日獣医に予防接種に連れて行ったところでした。本当は半年前にいかなければいけなかったのですが、完全な家猫ですから感染の危険もあるまいと思って放ってあったのです。が、こうなると狂犬病の野生動物がそのへんにいてもおかしくない土地柄ですから(アメリカでは狂犬病の野生動物は珍しくない)、私たちが日本に帰国してる間にでも外に出てしまったりしては大変なので、慌てて予防接種に行きました。そのとたんに、この脱走。
 もちろん2匹ともキャリアーも車も、獣医さんも大嫌い。まずキャリアーに入れるのが一仕事です。無理やりキャリアーに詰め込まれて獣医さんで注射をされたので今日はおスモーは大変ご機嫌ななめでした。(おボーはおバカなのでこういうこともすぐ忘れるらしい)。それでプチ家出になったのかもしれません。予防接種に2匹で180ドル近くかかってるのに、まったく人の気も知らないで。
 この夏は、リビングルームに誰もいない時は引き戸をあけられなくなりました。ニューヨーク郊外は真夏でも朝晩は結構涼しいので網戸にしておけば冷房なしでも過ごせるのですが、これからは戸をしめっきり、冷房かけっぱなしになります。そうすると、また電気代が…
 どうしてこうお金のかかることばっかりおこるかなあ。

根管治療

2010年6月8日
ちょっと前まで暇だったのですが、先週あたりからまた忙しくなりまして、週末返上で働いても間に合わない。起きてる間は(ほぼ)ずっとお仕事。が、こんなに一生懸命働いて稼いだお金があっという間にとんでいく歯科治療。
今日、根管治療に行ってきました。アメリカの歯科医はほんとに細分化されていて、ルートキャナルセラピー(根管治療)だけをやってる専門医で明朗会計(ほぼ)均一料金だそうです。で、1本のお値段、1760ドル。ゴールドスタイン先生のお見積もり(「1800ドルくらいかなあ」)大当たり!って嬉しくねえよ、全然。
根管治療なんて、日本じゃきっと保険がきく治療にちがいありません。そうじゃなくても1本に20万円近くとられることはあるまい。(これは根管治療そのものだけのお値段で、その上にかぶせるクラウンや義歯は含まれていません)。日本に1ヶ月くらい帰って治療したほうが絶対安くあがると思う。娘が大学に行っていつでも日本と行き来できるようになったら、歯科治療は日本でやることを真剣に検討しなきゃなりません。
これからますます現状維持にお金がかかるようになるんだろうなあ。今夜もアドビル(痛み止めイボプロフェン)飲んでお仕事だ。
 
 

ジュニアプロム

2010年5月23日
 
 一昨日は娘のジュニアプロムでした。
 ハイスクールの卒業パーティ、プロムの存在は前から知っていましたが、卒業の前年、ジュニアイヤーの最後にジュニアプロムというものがあることは娘がハイスクールに入って初めて知りました。なんでまた2度もプロムが必要なんだ?と思いますが、娘によるとジュニアプロムはシニアプロムのファンドレージングが主な目的なんだそうです。最近のプロムはどこでもホテルのバンケットだったりクルーズだったり、結婚披露宴なみにお金がかかるパーティになるので、それに備えて会費をプールするのだそうです。ですからジュニアプロムの会場はたいていが学校のジム。お金をかけずにやって会費の大半は来年のシニアプロムの足しにするのだそうです。
 それでは、会場に合わせてジュニアプロムはカジュアルなパーティかというと、ところがどっこい一応プロムなのでフォーマルな装いが必須。学校によってもちがいますが、娘の学校では、本番のシニアプロムが男子はタキシードで女子はロングドレスで、ジュニアプロムは男子はスーツで女子は短いフォーマルドレスです。つまりプロム以後は親戚の結婚式でもないがぎり着用機会のないフォーマルドレスが2セット必要ということになります。
 そんな無駄なドレスなんかバジェット100ドルが限度だ、と言ってあったせいか、娘はお友達のお姉さんが2年前に着た高価なドレスを借りてきました。グッドジョブだ。シニアプロムもこの調子でどこかから借りてきてくれ。
 さて、プロムといえばお洋服以前に調達しなければならないのはパートナーです。特定のボーイフレンドやガールフレンドがいる子は簡単なんですが、そういう子は半数くらいでしょうか。意外と少ない。あとの決まった相手のない子は仲良しの友達の中からお互いにみつくろってパートナーを決めます。
 娘にはボーイフレンドはいません。が、ハイスクールの1年目の頃からとても仲良しの男の子がいます。当然、娘はその子とプロムに出かけました。この男の子は娘と年中一緒にいるので、まわりはボーイフレンドだと思っている人も多いのですが、本人いわくボーイフレンドではなく男の親友だそうです。別に嘘をつく必要は何もないので、実際にそうなのでしょう。(ご存知の方も多いとは思いますが、英語でボーイフレンド、ガールフレンドというのは恋人、つまりカレシ、カノジョでありお友達ではありません)。ボーイフレンドだと何かと束縛が多くなるし、特別な恋愛感情もないのに無理してボーイフレンドをもつ必要はない、という娘の言い分はしごくもっとも。
 が、これがお父さんたちには理解できない。
「女の子の方はともかく、ティーンエイジャー男子が女の子と『お友達』になんかなりたいわけがない」
と言い張る。あげくのはてには
「そいつゲイなんじゃないのか」
とまで言い出す。面白いことに元夫もチャールズもまるっきり性格が違うのに、まるで口裏を合わせたように同じことを言います。それが娘には大変うっとうしいらしいのですが、お父っつぁんたちには、どうしても女の『お友達』というのが理解できない。
「お友達になろうと思って女の子に話かける男なんていないんだよ。50代だって60代だってそんなヤツいないんだよ。ましてティーンエイジャーでそんな男がいるわけないだろう」
というのがお父さんたちの理屈です。「オレはそんな無駄なことしたことねえ」というわけなのでしょう。
 アメリカでも草食男子系が増えているのかもしれません。でも、彼らは決して女の子に縁がないわけではありません。むしろその逆です。たとえば娘の親友男子は去年のシニアプロムに2歳年上の女友達のエスコートとして出席しています。自分の学年に適当な相手が見つからない場合は年下の男の子をプロムのためのパートナーとして調達する女子もいるわけです。彼はそれだけ優しくていいヤツなのでしょう。
 娘と同い年のチャールズの息子も今年はジュニアプロムです。決まったガールフレンドはいませんが、やはり友達の女の子とジュニアプロムに出かけました。チャールズも日頃から息子の話に女の子が登場するたびに「その子はお前のガールフレンドか?」ときいては、「なんで、女の子だといちいちガールフレンドじゃなきゃならないんだよ。」とうるさがられています。
 ちなみにチャールズの息子も、今年のシニアプロムに1学年上の女の子のパートナーとしてかりだされて出席する予定です。そんなことはチャールズが学生時代には考えられなかったことだそうです。どうも、今時の男の子たちは、お父さんたちの世代に比べて女の子をゲットするのに努力する必要がないようなのです。だから、お父さんたちのように自分専属の女の子を確保しなければという必然性を感じていないのです、きっと。
 そういえば、アメリカの大学生は現在55%くらいが女子で男子不足なため、女子の方が積極的に出ないとボーイフレンドをゲットできないという話を読んだ覚えがあります。男子の方は声をかけられるままに、とっかえひっかえが可能なんだそうです。まだまだ女子の学歴が男より遅れていた1960~70年代に学生をしていたお父さんたちとは今や状況が違うわけです。
 娘の学年は大学入学希望人口が最も多い大学入学最激戦学年ですが、女子にとってはパートナー獲得激戦期というダブルパンチをくらっていることになります。娘にはどっちもがんばってほしいものです。
 ともかくも娘もチャールズ息子も『お友達』と楽しそうにジュニアプロムにでかけていきました。
 もちろん当日の準備はお約束の母の血圧上昇イベント満載でした。当日になって髪が化粧がと大騒ぎする娘。電熱式のカーラーがないから髪がセットできない、とまるでカーラーを用意していなかったのは「お母さんのせいだ」といわんばかり。相変わらずです。当日まで忘れていたのは自分だろうが、と険悪になる。
 結局はしまいこんであった普通のカーラーで私が巻いてやって縦ロール作り。最後に頼れるのはお母さんだけなんだからね、よく肝に銘じておくように。たまたま仕事もなくて暇だったので、マニキュア塗ったり、化粧したりお人形遊びみたいで結構楽しい。縦ロールは我ながら上出来な仕上がりだし。
 と思っていたら電話が鳴って、出てみるとまったく覚えのない花屋。娘のためのブートニアがなんやらと言っています。こちらは思い当たる節がないので、「はあ?」みたいな返事をしていると、チャールズと娘が揃って「言うの忘れてた」だと。なんでもジュニアプロムに一緒にでかけるパートナーの男の子のブートニアをこちらが用意して、男の子がコサージュを用意するんだそうで、もちろん前日まで忘れていた娘はたまたま私がいなかったのでチャールズに花屋への注文を頼んだ。そして、娘もチャールズも私に一言も言わずにいたというわけです。「普通の親は言わなくても用意してくれる」などとふざけたことをぬかす娘。また血圧が上がる。
 で、花屋の言うには「ブートニアはできてるけど、店は3時で閉めます」って、あと10分しかないじゃないか。花屋まではすぐに車をとばしても20分(よりによって遠い花屋に注文しているチャールズ)。とにかく待ってもらってとりに行きました。
 ブートニアってたかがバラの花一つにカスミ草かなんか添えて胸に留められるようにしただけのものが15ドルもします。きっとコサージュはもっと高いんだろうけど。
 来年のシニアプロムは、さらにリムジンだのアフターパーティだのいろんなものがついてきます。考えるだけで今からめんどくさい。アメリカの学校っていうのは、どうしてこうもいつまでも親がめんどうみなきゃいけないものが多いのでしょう。