インプラント開始

3/5/2009
インプラントの第一段階が終了。お値段2075ドル即金(大泣)。
 私の場合、10年くらい前の歯根のインフェクションの治療痕が空洞になっているので、そこの骨を埋めるグラフィティングというのが第一段階になります。骨の空洞に骨組織をいれてそのまわりに自分の骨を育てるのだそうです。それにかかる期間が6ヶ月と。
 
 で、そのグラフィティングのお値段が1500ドルに抜歯代が300ドル。残りの275ドルは何かというと、開けてみたらcyst(のうしゅ)が見つかって生検に出すためのラボ代。「ほぼ何でもないものなんだけど、見つかったもんは生検に出す義務がある」そうで、あまり心配はしていませんが、ともかく先延ばしにしないで開けてみてよかった。
 私の健康保険は歯科はいっさいカバーしません。が、のうしゅとなると歯科の範囲外かもしれないので、一応保険にクレームはしますが、保険会社とのやりとりを考えると275ドル以上に気が重い。なにしろ保険会社は、払わない理由をみつけることに命かけてますからね。これが万が一悪いもんで治療が必要とか、さらに検査が必要とかなったら、さらにめんどくさい。こういうときに健康より保険のクレームの心配が先にたつアメリカの医療制度っていったい。
 まず手術にかかる前に、終了後に必要な薬(自分で薬屋に処方箋をもって買いに行くのがアメリカ方式)について説明されます。処方されるのは、抗生物質2週間、腫れ止め3日間分、1週間使用する消毒用マウスリンス、強力鎮痛剤。抗生物質はペニシリンにアレルギーがないなら「Augmentine」と言われたのですが、このオーグメンティンは娘が幼い頃に薬疹を出した薬なので(他のペニシリン関連剤は問題ないので原因は不明)それはちょっと、というと、それじゃ「ホニャララ(覚えてない)。これは1日1回飲めばいい薬だ」と言われました。あまり聞いたことのない薬名と服用回数が少なくてすむ、というのはクソ高い新薬に決まってます。「それって、えらいお高いんじゃないでしょうか」ときくと、じゃあ、薬屋で調べてあげるねと、電話をかけてくれました。スピーカーフォンなので私にもやりとりが聞こえます。で、その新薬(かどうか知らないけど)ホニャララは「280ドル!」、オーグメンティンは「58ドル」。即決「I take the risk」。オーグメンティン決定。患者が値段で処方薬を選ぶアメリカの医療制度っていったい。
 手術そのものはあっという間。痛いのは麻酔の注射だけ。あとは笑気ガスを吸わされてぼうっと寝転がってるだけです(笑気ガスを吸うと、ちょっと酔っ払って横になったときみたいな感じになる)。
 ところで、アメリカの医者や歯医者というのは専門化が徹底してまして、一般歯科医はインプラントをやりません。インプラントとか歯ぐきの手術とかはperiodontistにまわされます。が、インプラント工事中の欠歯期間用義歯およびインプラント完成後に上にのっかる歯はかかりつけの歯医者の担当です。ですから、私のインプラントは普通の歯医者とぺリオドンティストの連携プレーになってます。まず一般歯科医ドクター・ゴールドスタインのところで歯型をとって義歯を作ってもらい、グラフティング手術の日には、ペリオドンティストのドクター・ゴーティシェイムのところに届いているわけです。
 この二人の名前は、受付の女性から電話が家に予約確認の電話がかかってくると、どっちだかわからないほど発音が似てるんですが、人当たりは正反対。ゴールドスタイン先生はアメリカの医者には珍しく愛想が無い。「あの先生、コミュニケーション障害なんじゃないの?」という人までいる。が、私はそんなに嫌いじゃない。必要なことは聞けばちゃんと、しかも楽観的すぎない言い方で教えてくれるので別に歯医者としては問題ありません。
 で、一方のゴーティシェイム先生は、開業医は客商売というアメリカ流を地でいっていてしゃべるしゃべる。
「あ、ぼくの誕生日とすごく近いね。ぼくの誕生日は○○年××日なんだ。もうすぐビッグワンだよね(50歳)。気分はどう?(私の返事を聞く気は無い)ぼくの方が先だから、50歳ってどんな気分か教えてあげるねえ。」
いらねえよ。
患者をリラックスさせるという意味ではいいんでしょうが(まあ、たしかに手術の最中はこっちのタイプのほうが痛くなさそうな気はする)、こういうタイプの常で問題の核心をはずしやすい。
 今回抜いた歯は歯といっても刺し歯ですから、それ自体が義歯。それがきれいに抜けたもんだから、この後で作る第二段階の義歯に使えるんじゃないかということで、抜けた歯を片手にゴーティシェイム先生はゴールドスタイン先生に電話をかけた。この二人はコンビで仕事をしているくらいで、性格は正反対でも気が合うらしい。抜けた歯は届けるとか、シストがみつかったとかいう話の上に、他の患者の話までしています。
 長い電話の後、グラフティングも終了して、義歯が装着されました。義歯といってもこの段階につけるのは、いわゆる入れ歯型のフリッパーではなく、歯列矯正終了後につけるリテイナーのような透明のプラスティックが上の歯全体を覆う形になったもの。リテイナーと違うのは無い歯のところにだけ偽歯が埋め込まれているところです。これは食べるときにははずさなくてはなりません。手術痕が癒えるまでの1ヶ月くらいはこれで過ごします。その間、人様とお食事はできません(泣)。それはともかく、重要なのは、この義歯はつけはずしをしょっちゅうしなければいけないものだということです。
 ところが、ゴーティシェイム先生、装着したはいいけど外せない。
「はずれないやあ。こわすといけないから、これからゴールドスタイン先生んとこに行ってね。後で来てって言ってたから」
そんな話聞いてねえよ。
「ゴールドスタイン先生は私が行くのを知ってるんですか。」
「うん、5時までいるって言ってたもん」
二人のドクターたちの会話はスピーカーフォンではなかったので、ゴールドスタイン先生が何を言っていたかは私にはわかりません。が、リテイナー義歯が外れなくなったのは、たった今起こった問題なのに、そんなことあり得るのか。でもまあリテイナー義歯の具合をチェックしたいと言っていたということもありえないことじゃありません。
 車で20分かけてゴールドスタイン先生のオフィスに着く。4時40分。閉まってる。オフィスの番号に電話したって受付がいなければ留守電しか出るわけがない。このままでは明日まで飲まず食わずになってしまうので、あわててゴーティシェイム先生のオフィスに電話する。すると「今、鍵を開けるって」と言われました。なんだ、いるんじゃん。
 ゴールドスタイン先生いわく「来るなんて知らなかったから」
「ぼくは、何か必要なことがあったら5時まではオフィスにいるからね、って言ったんだよ」
今度からは、ゴーティシェイム先生が何を言っても、絶対に確認の電話を主張しようと思いました。
リテイナー義歯のほうは、餅は餅屋ってやつでゴールドスタイン先生の手によって簡単に外され、はずしやすく調整してもらいました。
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投稿者: motokokuroda

アメリカ生活も四半世紀を超えました。お料理から政治まで、興味のおもむくままに。

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