アメリカの大学

4/9/2010
 4月に入って、本格的に春の陽気。今年の娘の学校の春休みは先週でした(このあたりの公立学校の春休みは毎年の暦によって変動するパスオーバーとイースターによって毎年違う。今年は早めで、来年は4月半ばになる)。娘はハイスクールのジュニア(11年生)で、ジュニアイヤーの春休みというのは、誰もかれもが大学見学に行きます。大学の多くが首都圏に集中している日本と違って、アメリカの大学は全国各地に散らばっていますから、見学に行くのも結構な小旅行です。中にはバケーションをかねて西海岸や中西部の大学を見学に行く家族もありますが、まあ、大半は東海岸の比較的近場から始まります。近場というのは「車で行ける距離」ということで、距離的には本州全土くらいな感じです。
 この大学見学というのは大学入学作戦の前哨戦みたいなもんです。入りたい大学には事前に見学に行って名前を見学者として登録しておいたほうがアドミッションオフィスの心証がいいらしい。もちろん選考基準としては枝葉末節部分ではありますが。
 アメリカの大学には入試がない、ということもあって「アメリカの大学は出るのは大変だが、入るのは簡単である」と日本では言われているようですが、大嘘です。最後に「どこでもよければ」とつけば本当ですが、そんなのは今時、日本でも同じことです。アメリカでもランクの高い大学に入るのは至難の技。アイビーリーグクラスになれば、日本でいえば東大なみです。しかも入試がないので、一発逆転もなく浪人もできない。アメリカの大学入学は高校の平均成績(これがなかなか複雑です)とSATまたはACTという日本のセンター試験のような統一学力テストの成績が主な選考基準となります。その他に音楽、スポーツ、芸事、ボランティアその他の学業以外の実績も加味され、応募に添えるエッセイもそこそこに重要です。難易度最高クラスのハーバード、プリンストン、イエールなんかだとSAT満点(もうこれだけで神業に近い)で成績平均トップでも落ちることもあります。だいたいアイビーリーグレベルだと、完璧な成績プラス何か傑出したものがないと駄目、と言われています。まあ、その大学にお祖父ちゃんの名前のついた図書館があります、とかいう場合は別ですが。アイビーリーグは私立大学なので代々その学校に行って莫大な寄付をしているお金持ちがフリーパスで入るのは誰も不思議に思わない。ジョージ・ブッシュが実力でイエールに入ったと思う人は誰もいません。
 大変なのはアイビーリーグだけではありません。その下には、SATスコアの基準がアイビーリーグとほとんど変わらない準アイビーリーグクラスがあり(このあたりになると日本ではほとんど名前は知られていませんが)、その下も細かくランクは分かれています。どの大学もおしなべて以前より難しくなってきており、アメリカ人でも私の世代だと名前も聞いたことがなかった大学がすごく難しかったりします(このあたりは日本の私立中学高校の状況に似ています)。理由は入学希望者の人数が増え続けてきたから。大学に行く比率も上がっていますが、人口の総数も娘の学年は史上最大なんだそうです。この人口カーブは一つ下の学年からまた減り出すので、娘は大学入学最激戦学年に当たってしまったわけです。
 アメリカの高校生の大学入学作戦が始まるのはだいたい11年生(日本でいうと高校2年生)になったばかりぐらいからで、それぞれの子供が担当の大学カウンセラー(1人のカウンセラーが100人くらいずつ受け持つ)と面接し、年末にはPSATというSATの模擬テストみたいなのを全員が受けます。年が明けると大学モードがいよいよ本格化します。いろんな大学から子供あてに続々とDMが届き出すのもこの頃です(もちろんトップクラスの大学はそんな宣伝費は使わないので、聞いたことのない大学ばっかりです)。SATやACTは2ヶ月に1回くらいずつあって、いつでも何度でも受けられるのですが、大抵は2,3回で、だいたい早い子で11年生の11月頃受け始め、3月までにはほとんどの子供が第1回目を受けます。
 1月ごろにハイスクールの大学入学手続き関連のオリエンテーションが始まり、子供たちには、それぞれの成績平均やSATやACTのスコアと、各大学に必要なスコアと比べることができるウエブサイトが与えられます。そこに見学に行った大学とか希望大学とかを入力して、志望校をしぼりこんでいくわけです。それから夏休み中にアプリケーションやエッセイを仕上げ、休み明けに12年生になると同時にアプリケーションの提出が始まります。何校でも好きなだけアプライすることは可能なのですが、たいだい7,8校くらいだそうです。ちょっと自分のランクより上のリーチスクール、自分のランクぴったりのレンジスクール、安パイのセーフスクールの3種類を2,3校ずつ取り混ぜます。年内にはだいたい出し終わり、年明けから結果待ちとなり、4月1日までにはすべての大学から結果通知が届きます。浪人というシステムがないので、セーフスクールを見誤って全不合格となるのが一番悲惨なことらしいです。結果が出た後ではもう応募締め切りは終わってるのでどうにもならない。だから必ず絶対安全なセーフスクールにもアプライしろ、と言われています。
 と、まあ、こんなところが私も先週くらいになってやっと理解したアメリカの大学入学プロセスの概要です。で、うちの場合はどうなっているのか、春休みの大学見学がどうだったかといったお話は長くなるので次に。
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投稿者: motokokuroda

アメリカ生活も四半世紀を超えました。お料理から政治まで、興味のおもむくままに。

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