いよいよ大詰

11/3/2008
  世の中、ますますとんでもないことになっています。大統領選ももう大詰め。この金融市場の大混乱で唯一喜ばしいのはオバマの追い風になったこと。サラ・ペイリン騒ぎで押されていたオバマがぐぐっと挽回。調査上ではオバマがかなり優勢となりました。これでオバマが勝てるのなら、株の大暴落だってマケインが大統領になるよりは、長期的に見れば世界にとってましかも。
  が、選挙は蓋を開けてみるまではわからないもんで、ブッシュじゃなきゃ誰だって勝てると思った4年前にブッシュが再選された時のショックがデジャビュとして蘇らないことを祈るばかり。
  とにかくネタには事欠かないエンターテイニングな選挙戦で、アメリカのテレビでは大統領選のパロディがさかんに放映されてますが、私がおもしろかったのはこれ。→
http://www.nbc.com/Saturday_Night_Live/video/clips/update-thursday-bush-endorsement/783981/
 
  さて、ちょっと飽きられてきたペイリンに次いで、マケインがオバマとの最終討論で引っ張り出してきたのがジョー・ザ・プラマー(配管工のジョー)。もうマケインはやけっぱちな感じさえしますが、相変わらず話題作りはうまい。
  ジョー某とは、選挙遊説中のオバマに「年商25万ドルのプラミングの会社を買いたいんだけど、そうすると俺の税金は上がるのか。」と質問した実在の人物。オバマが「富を分かちあうのは良いことじゃないか」と答えたというので、マケインは鬼の首とったように「オバマは社会主義者」「成功を目指す庶民の敵」と言い張っています。
このプラマーのジョーは討論から一夜明けるといきなり有名人になり、それでわかったのは、彼はプラマーの資格すらない無免許プラマーで年商25万ドルの会社なんて、一生買えるわけがないってことでした。が、それでもプラマーのジョーはマケインの選挙遊説に同行するほどの時の人となり、マケインは相変わらず「ジョー・ザ・プラマーを守るマケイン」を主張しています。
  ちなみに、マケインがオバマ攻撃の最大ネタとしてるのが増税なんですが、オバマ案で個人の所得税が増税になるのは年収25万ドル(2500万円)以上の人(アメリカ国民の3%以下)だけ(たとえ年商25万ドルの企業を経営したところで年収25万ドルになるわけがない)。減税案はオバマもマケインも打ち出していますが、それ以下の年収の人では、オバマ案の方が減税率は高い。つまりオバマの方がミドルおよびローワークラスに有利なのは明らか。それなのに、なぜ、マケインはオバマ増税説を唱え、プラマーのジョーみたいな一生年収25万ドルに縁のなさそうな、いや10万ドルだって無理な人たちが相変わらずマケインを支持しているのか。
  「もし、俺が成功して年収25万ドル以上になったら税金が増えるのは嫌」だからです。客観的に見れば、ありえない「もし」や「たら」を前提に未来を考える。良く言えばポジティブ思考ですが、はっきり言えば馬鹿です。が、これはアメリカ人には結構根強い発想のようなのです。現実には国民の97%は負け組なのに、自分がルーザーだと思うのは嫌だから「年収25万ドル以上の増税は許せない」らしい。
  インタビューを受けるたびに天然ぶりをさらしているペイリンですが、今、彼女の熱心なファンは、ワーキングクラスの男性だそうで、つまりプラマーのジョータイプです。ペイリンでヒラリーの支持層を取り込むという作戦は失敗しましたが(当たり前だ)、相変わらずご本尊のマケインをしのぐ人気です。
が、ペイリンゆえのマケイン離れもあって、史上最年長初選大統領候補のマケインがもし任期中に死んだらペイリンが大統領って「いくらなんでもヤバくね?」というんで、オバマ支持にまわる共和党政治家が続々出てきました。
  まあ、当然といえば当然ですが、疑問に思うのは、なぜ知性も教養もあるはずのその人たちが、ブッシュを大統領に選ぶのを「ヤバくね?」と思わなかったのかってことです。そりゃペイリンはいろんな意味でとんでもありませんが、ブッシュに比べりゃ頭も勘も悪くないと思うんですけど。
今のところ、オバマ圧倒的リードってことになってますが、アメリカのメインストリームはジョー・ザ・プラマーなんですから、安心する気持ちには到底なれません。ブッシュ再選でも暗澹としましたが、今度まかりまちがってマケインが勝ったりしたらまじでアメリカはおしまいだと思う。
  Religulous(religion とridiculousを合体させた造語)という映画を作ったラリー・チャールズというコメディアンはユナイテッド・ステュピッド・オブ・アメリカと秀逸なことを言っていましたが、それが証明されないことを祈るばかり。
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投稿者: motokokuroda

アメリカ生活も四半世紀を超えました。お料理から政治まで、興味のおもむくままに。

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