LとR問題 

8/29/2007
 お月見の夕べの会場のミュージアムの担当者がロレインといいます。会場について、まずは舞台のセッティングを確認しなくちゃとスタッフ風の人に「ロレインどこにいるか知らない?」ときくと「ロレインって?L、R?」と聞き返されてしまいました。私はこの手のLとRが両方入った名前のスペルは絶対といっていいくらい覚えられない。だから、かなりの確率で日本のラ行風のいい加減な発音でごまかす場合が多いのですが、たいがいその場にいる人の数なんて限られてるので問題なく察してもらえるわけで、こういう切りかえしが来ることはめったにありません。ロレインにはLバージョンとRバージョンとあるのか?とか思いながら一生懸命思いだそうとしたのですが、考えれば考えるほどわからない。
 アメリカでは日本人(に限らずアジア人)はLとRの発音が苦手であるということは定説になっているのですが、これは間違いです。発音の仕方くらい不器用な人でも5分も習えばわかります。書いてあるのを読むのならlockとrockは正確に言い分けられます。が、聞き取れない。普通に話してるのを普通に聞いてたらまず聞き分けられない(よっぽどゆっくり話すのを注意して聞いてればわかるかもしれないけど)。
 が、聞き取れない、ということも実は問題の核心ではありません。聞き返せばいいんだし。一番の問題は記憶の引き出しがラ行しかないってことなんです。これは聞き取れないということが根源なのかもしれませんが、聞いたり読んだりした単語を記憶するときにはLもRも同じ引き出しに入ってしまうので思い出すことができなくなります。
 それでも、よく使う単語はさすがに覚えているわけですが、多分それは言語としてよりグラフィックなイメージとして記憶の引き出しに入ってるんです。だからLとRが両方はいってる固有名詞は一番覚えられない。絵面としてLとRのどっちが先にあったか正確に思い出せないから。LindaとかLisaならいいんですが、ロレイン(Lorraine)とかローラ、ラリー、ヒラリー、バレリーとか、うんざりする名前です。よほど親しい仲ならともかく、覚えちゃ忘れ、覚えちゃ忘れですから。企業名のメリルリンチとかも嫌ですが、これはロゴが記憶にあるので覚えやすい。個人名もロゴを作ってくれるといいんですが。
 固有名詞でなくとも、あまり書くチャンスのない単語は読むチャンスが多くてもLだかRだかわからなくなる。スペルチェックされても正しいスペルが出てこなくて、結局、しょうがないや、和英でひいてスペルを調べましょうってことになるのは、たいがいこのLRがらみです。
 このLだったかRだったか覚えられないというのはアメリカ人には想像もできないことなので説明しようとすると、えらく長い話をしなきゃなりません。だから「エリー湖ってLだっけRだっけ?」という類の質問をできる相手は娘くらいなものです。少なくとも娘は質問の意味はすぐ理解しますが、一般のアメリカ人だったら何を聞かれてるのかわからないと思う。
 で、日本人がLとRを間違って発音すると現象的には発音ができない、ということになるのです。そうじゃないんだけどね。
 聞き取る方は打つ手はありません。人間は1歳前に母国語に必要な聞き分けだけを選びとるそうで、子供のうちならともかく大人になってからでは絶望的です。子供のうちだって、週1回の英会話教室じゃお話にならなくて、どっぷり毎日英語だけで生活しなきゃ聞き取れるようになんて絶対なりません。
 せめて記憶の引き出しの方はなんとかならないもんだろうか、といつも思うのですが、いまだにどうにもなりません。ひょっとするとデザイン系とかグラフィック系の仕事をしてる人の方がLRの記憶分けは得意かも。
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投稿者: motokokuroda

アメリカ生活も四半世紀を超えました。お料理から政治まで、興味のおもむくままに。

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