こいつはほんとに

6月20日
 
 土曜日は仕事を通じて先週知り合ったばかりの若い日本人のお友達(女性です)が、シティから泊りがけで遊びにきてくれました。このところ、すごく忙しかったので、久々にゆっくり飲みながらおしゃべりしよう、と楽しみにしていました。
 で、夕方、そろそろバーベキューの火をおこしてご飯の支度をしようかなあ、と思っていると、まだ明るいのに娘がプールから帰ってきました。「お腹が痛い」といいます。なんだかすごく具合が悪そうで、すぐにベッドに行ってしまったので、様子を見に行くと、吐き気もすると言います。が、お腹はこわしていない、痛み始めたのは3時間前で最初はお腹全体が痛かったけど、だんだん右の下腹だけが痛くなってきた、と。これって、まるで教科書に載ってるような盲腸の症状じゃないか?
ああ、もうどうして子供って嫌がらせと思えるようなタイミングで具合が悪くなるのか。でも、ここまで条件が揃ってはほっておくわけにはいかないので、かかりつけの小児科医に電話する。娘と直接電話で話した医者は、盲腸みたいだからすぐにエマージェンシールームに行けと言います。
 で、お腹を空かせたままのゲストをほったらかして、説明もそこそこにエマージェンシールームへ。エマージェンシールームっていうのはまず結構な待ち時間があるもので、やっとナースの問診が始まった頃には、なんと娘は「あんまり痛くなくなってきた」とか言いはじめました。が、症状が症状なので診察した医者も白血球を調べて、CTスキャンまですると言います。盲腸の診断はとりあえず白血球カウントと思っていましたが、いまどきのアメリカの医療マニュアルではCTもセットらしい。CTスキャンを撮るにはまず染料を飲むので撮るまでの準備に1時間半かかる。盲腸であるにしろ、ないにしろ決着がつくまであと2,3時間はかかるということです(ここまでですでに2時間近く経過していた)。
 一人っきりで家に残してきたゲストも気になってしかたがない上に、私もお腹が空いて倒れそうだ。それに、家にあるものは何でも適当に食べててね、と言い置いてはきたものの、年中、遊びに来てる友達ならともかく、知り合ったばかりの若い子では、ひたすらすきっ腹をかかえてるに違いない。そこで、ここは元夫に代わってもらって、とにかく1度帰ろうと考えた。
 と、ここまでは長い前置き。これからが本題です。元夫の携帯に電話して、事情を説明すると「それは、娘のエマージェンシーではなくて、お前とそのゲストのエマージェンシーではないか。俺は今、レストランでディナーの最中なんだから、邪魔しないでくれ。」という主旨の屁理屈を抜かします(娘の屁理屈こきは絶対に元夫からの遺伝です)。「すぐに来いとはいってないだろう。だから食事が終わってから来てくれ、といってるんじゃないか」というと、「お前はエマージェンシールームを医者のオフィスだと思ってるんじゃないのか。だいたい、お前も娘もエマージェンシールームに行き過ぎる。腹痛だけでエマージェンシールームなんて常識はずれだ」とまで言い出す。
 わたくし、なぜこの男と別れたか、よおく思い出しました。本当に別れてよかった。もちろん、ぶち切れた私は「もうお前なんかに頼まねえよ」ってんで、娘の腹痛もすでにおさまってるようなのでナースに家にいったん戻ってまた来るからと言い置いて出てきました。
 すると、ちったあ気がとがめたのか、元夫から電話があり「何時にどこに行けばいいんだ?」と言います。よほど「もういい」と言おうと思いましたが、背に腹は代えられない。「9時までに戻るって言い置いてきたから9時に行って、そのあとどれくらいかかりそうか知らせてくれたら交代する」ということになりました。これでなんとか夕食を食べる時間くらいはある。飲めないけど。と思いつつ食事をしていると、なんと9時半に娘が元夫の車で帰ってきました。あまりにも早過ぎないか?娘の報告によると、
 「お父さんは突然入ってきてナースを脅かしてた。『あなた誰?』ってナースがすごい驚いてた。それで、ドクターにいろんなメディカルターム(医療用語)を言って、ドクターが『あなたは医療関係者か?』って聞いて『そうだ』って言って(大嘘)、CTはいらないってドクターをコンビンス(説得)して帰ってきた。どうせなら、あの不味いドリンク飲む前に来てくれればよかったのに」だそうです。
 元夫はこういうごり押しの交渉事に関しては天才的に上手い。しかし、連れていったのは私で、父親とは名前も住所も違うことがレジストレーションの書類で明らかなのに、父親に渡してしまう病院っていったい。結果的には娘はその後ケロッとしてるので、なんともなかったのでしょうが、原因はわからずじまいです。
 最近、日常生活で関わることが少なかったので、すっかり忘れかけていましたが、私の決断は正しかったとしみじみ思ったのであります。その前に、そんなジャークと結婚したお前は何ってつっこまれれば、それまでですが。 
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投稿者: motokokuroda

アメリカ生活も四半世紀を超えました。お料理から政治まで、興味のおもむくままに。

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