茶かぶき

突然思い立って始めたお茶の初回お稽古は「茶かぶき」というお濃茶の利き茶会でした。もちろん初回にお稽古するプログラムというわけではないのでしょうが、1年に1回もやらないという「茶かぶき」のお稽古日にたまたま当たったわけです。わけもわからずにやってたわけですが、なかなか面白かったです。
初めていただいたお濃茶一服目は罰ゲームかと思いましたが、慣れてくるとそれなりに味わいはあります(どっちがいいかと言われれば断然薄茶ですが)。利き茶会なので各自が5服ずつですから結構ヘビーです。お濃茶は回しのみなのですが、みんな遠慮がちに飲むので、残りを全部飲まなきゃいけない最後の人はまじで罰ゲームかも。最初2服は名前のわかってるお茶、その後、先の2種類に謎のお茶1種類を混ぜての3服での当てっことなります。で、当てました(えっへん)3つ。前回も当たったのは初心者だったそうで、あんまり考えちゃいけないようです。見よ、このビギナーズラック、お茶は気合だっと、ここまでは調子よかったのですが、その後の袱紗さばきのお稽古は、気合じゃどうにもならないようで。袱紗といい茶巾といい複雑な扱いはとても覚え切れません。こういうのは、やっぱり若く記憶力のいいうちにやっておくべきだった。
家に帰って本を見ながら復習したのですが、どうしてもきれいにたためない。手順解説の写真をにらんでも、どうみても等分にたためるように見えない。でも、先生や先輩のお弟子さんたちはきれいにたたんでいた。なぜ?

ルーザーフォビア

ずっと観たいと思っていた映画「リトル・ミス・サンシャイン」をやっと観ました。基本的には心温まるタイプの映画で、アメリカ人のloser-phobia(負け組嫌悪・恐怖症)ぶりの描かれ方が面白い。この家のお父さんは「winner(勝ち組)になる方法」というプログラムをプロモートしようとしているのですが、そのこと自体がすでに立派なルーザー。薬中の祖父さん、家族の誰とも口をきかない高校生の息子、ゲイの学者でボーイフレンドに振られた挙句に失業して自殺未遂した叔父さん、タバコをやめられないお母さんと、登場する一家全員がそれぞれにルーザーなんですが、ただ1人ルーザーコンプレックスにおかされていないのが8歳の女の子オリーブ。ストーリーは、オリーブを子供のミスコンに出場させるための顛末です。オリーブは太目で眼鏡をかけていて、いまどきのアメリカの小学生としては、まずルーザーのプロファイルにぴったりみたいな子なのですが、この子がルーザーコンプレックスにはまらず素直に幸せに育っているのは一家全員がこの子を守っているからだということがわかるエピソードがとても微笑ましい。
テーマは「ルーザーがなんぼのもんじゃい」ということなのですが、この低予算映画がこれだけヒットして、多くのアメリカ人に絶賛されたということは、アメリカの社会がいかにルーザーフォビアの社会かということでもあります。このルーザーという言葉はアメリカの子供の会話によく出てきます。「そんなのはルーザーだ」「○○はルーザーだ」「××なんてルーザーしかやらないから、やらない」、そして極めつけは「You are loser」。さすがに大人の間でこんな台詞が聞かれることはありませんが、子供の兄弟喧嘩なんかでは、これが最も侮蔑的な表現として用いられるようです。子供社会では、loserというレッテルをはられるのは何よりも避けたいことらしいです。しかも、非loserであるための幅がものすごく狭くて単純。もちろんそれは、そのまま大人の価値観が極端に表れているからです。大人からポリティカリーコレクトネスを除いただけのこと。
現実にはオリーブのような女の子がアメリカで、ルーザーコンプレックスをもたずに育つというのはとても難しい。かりにwinnerとしてのポジションを確保している子供(大人)でも、常にloserとなる(と見なされる)ことに、どこかでおびえているというわけです。

スキー

今週1週間は娘の学校が冬休み。昨日、今シーズン初めてのスキーに行きました。スキー(娘はスノーボード)は趣味の合わない娘と珍しく一緒にできるアクティビティですが、暖かければ雪がないし、寒すぎれば外に出る気にならないってことで、根性なしがスキーに行ける日は意外と少ない。今年は暮れから1月まで暖かくて人工雪すらなかったし、2月に入ってからは急激にシングルの寒さでスキーになんか行ったら凍死しそうだったし。
スキー場は車で40分くらいのところにあります。人工雪で作っている小さなスキー場ですが、一応はスキー場の態をなしていてスキーに行った気分を味わえます。リフトは1日1人45ドル(高い)。もととるために1日ガッチリ滑ろうと思っていたのですが、3時間も滑ったらヘロヘロ。当然今日は筋肉痛です。

チャイニーズ・ニューイヤー

中国人の友だちの家のチャイニーズニューイヤーパーティに招ばれました。土地柄、客のマジョリティはアメリカ人ですが、中国人と数人の日本人も入り混じり子供からお年寄りまで50人以上の大パーティ。とにかく賑やかで楽しいパーティでした。
リビングルームでチリンチリンと鈴のような音が続いているので何かと思ってのぞいてみれば、大きなラーメンどんぶりにサイコロ3つ転がして、中国式チンチロリンの賭場が立っています。賭場といっても25セント硬貨をかけての子供の遊びですが、そこではアメリカ人の子供たち数人がはまっていました。大人数人がルール監督兼お付き合い。チャイニーズニューイヤーの子供の賭け事なんだそうです。無邪気な遊びなんですが、でかいラーメンどんぶりとサイコロがなんとなく本格的な博打風で可笑しい。
ベースメントのファミリールームをのぞくと、こちらでは大人の女性が麻雀卓を囲んでいました。と言ってもアメリカ人の初心者2名をまじえての練習麻雀だそうで、こちらも和やかなものです。で、ギャラリー兼助っ人として参加。麻雀牌には英語で振り仮名がふってあるわけではないので、助っ人なしだとアメリカ人には牌が読めないんです。中国式の麻雀にもいろいろあるのかもしれませんが、そこで行われていた麻雀にはドラがない。かわりに花牌があります。で、日本式と一番違うのは捨て牌はすべて真ん中に適当に放り出すこと。誰がいつ何を捨てたということはまったくわからないので、フリテンはないようです。捨て牌を読むなんてことも不可能です。私には嬉しいルール。
アメリカでは麻雀はユダヤ人の年配の女性のゲームということになっていて、ちょっと古いですが「ドライビング・ミス・デイジー」という映画でミス・デイジーがお友達と麻雀をするシーンがありました(アメリカ製の牌には英語や数字で振り仮名がふってある)。そこでも捨て牌は真ん中に適当に放ってあったので、どうやら捨て牌を各自が整然と並べるというのは日本だけのようです。どうしてそういうことになったのか不思議ですが。
アメリカ人と麻雀というのはあまり結びつきませんが、アメリカにはアメリカ麻雀リーグというオーソリティもあります。ずいぶん前のことになりますが、アメリカ式の麻雀について調べる仕事があってそこにルールを問い合わせました。ルールブックをリクエストしたら「去年のか今年のか」というので、去年と今年とルールが違うのか?ときいたら「当たり前だ。役は毎年変わる」と言われて驚きました。これもどうしてこういうことになったものか、とっても不思議。

レント

娘が去年から観たがっていた「レント」を観に行きました。これもオフシーズン割引チケットで約半額。予想したよりは面白かったです。ドラッグクイーンのエンジェルを演じた役者がすごくよかったし、主題歌のようになっている「~minutes」の合唱シーンなんて思いがけず感動してしまいました。この「~minutes」ですが、どうしてこうしか書けないかというと何度聞いても~の数字の部分(1年を分で勘定した数字)が覚えられないから。桁数の多い数字を英語で言われると算用数字で紙に書いてからでないと絶対に覚えられない。これは英語圏で暮らすようになってから20年たっても改善されないので一生変わらないと思う。留守電に入ってる電話番号でもそうです。1度数字で書かないと絶対だめ。レントの~の部分を娘に100回くらい聞いてあきれられました。この話をすると、こちらに住む日本人は大概「私もそう」と言うので、なにか数字と言語の思考回路の問題なのだと思う。
で、「レント」ですが、これは世相と結びついたミュージカルなので封切り時(たしか1990年代はじめ)に観てたら、もっと素直に感動的だったでしょう。舞台となっているイーストビレッジは今ではどこも高級アパート並みの値段となり、不法居住できるようなボロアパートなぞ残ってはいません。私がマンハッタンに住みだした頃はちょっと住むのがためらわれた地域だったイーストビレッジやローワーイーストは今や人気のエリアです。貧乏なアーティストやプー太郎の若者の住む場所などニューヨークにはもうどこにも残っていないのです。そういう「10年後のレント」の世界で観る「レント」はどこか白々しい感じがするのを逃れない。思ったよりパワフルで面白かっただけに、芝居というのはやはり旬の時期に観ておくべきだったと、ちょっと残念な思いをしました。
観るまで知らなかったのですが、「レント」は「シェルブールの雨傘」タイプの(たとえが恐ろしく古いですが)台詞が全部歌になってるミュージカルです。娘が「It’s hard to understand」と言っていましたが、当然お母さんにはもっとわかりにくい。前半まではプロットがプログラムに書いてあるんですが、後半はそれがない。で、今もってわからないんですが、あのアパートは結局どうなったんですか。金持ちのベニーは建て替えをやめたんでしょうか。
 

赤城しぐれ

予想通り水曜日はこの冬初めての雪休校。朝、起きて外を見ると思いのほか積もっていません。雪の降る日は気温はそう低くないことが多いのですが、新聞をとりに外に出ると寒いこと寒いこと。それなのに雪はザラメ。地上は摂氏零下10度近くて十分粉雪の寒さなんですが、その上空に暖気があって、そこでいったん雨になった雪が地上近くで再凍結してザラメになるという珍しい現象なのだそうです。気温が高い時のザラメは湿気を含んだジトっとした感じですが、このザラメはサラサラでまさに氷の粒。風も強かったので雪がザザっと音をたてて吹き付けてきます。こんな妙な雪初めて。
で、夕方になりまして、たいして積もってもいないけど、一応明日のために車の雪を払っておこうと外に出てびっくり。新雪を踏んでも沈まない。沈まないどころか足跡もつかない。雪が溶けて凍ったアイスパーンと違って一見したところ雪なんですが、ガチゴチ。たいしたことないはずの車の雪払いはえらい重労働でした。まず、車にはりついた雪をはがして、それから車の周辺を除雪するのですが、これがもう石のような雪。冷凍庫の底でカチンコチンになったみぞれアイスにスプーンをつきたてる感じです。
こういう雪だと、道路事情は最悪で、翌日木曜日も学校は2時間遅れとなりました。この週末も気温は氷点を超えないようなので、ゴッチゴチのかき氷は当分そのまま。今朝、スクールバスのバスストップで、男の子たちが芝生に積もった雪の上で飛び跳ねていましたが、雪はびくともしていませんでした。

流感

月曜の早朝4時半に娘が「吐いた」と言って起きてきて、高熱、関節痛と典型的なインフルエンザを発症。金曜、土曜と2日間ともお友達の家にお泊りで元気に遊びまわり、日曜の夜も食欲旺盛だったのに、急に病気になるところがまだ子供です。大人だとこうはいかない。今朝まで高熱が続いてぐったりしていましたが、午後から突然回復。これも子供ならでは。大人だと全然こうはいかない。私がかかったら回復に10日はかかるので、うつらないように祈るばかり。
娘は回復しましたが、今夜夜中から大雪の予報。今度ばかりはまったくのスカということはなさそうです。明日はかなりの確率で学校は休み。