残菊物語

シティに住む映画好きな友人に薦められて溝口健二の残菊物語を観てきました。外国映画とかインディペンデンス系の映画を中心に上映している東京で言えば岩波ホールみたいな映画館が、車で30分ほどのところにあって、そこの溝口特集の企画上映の1つです。私は映画好きではないので溝口健二だって名前しか知らなかったのですが、時代の雰囲気がとても面白かった。戦前の映画でフィルムの状態が相当悪いのがすごく残念。2時間半近くもあって、筋としてはケッタくそ悪いwoman’s self-sacrifice(とチラシに書いてあった)の話なんですが、うっかり泣かされてしまいました。私は浪花節に弱い。
芝居が好きなので「残菊物語」のお話は知っていたのですが、映画についてはまったく予備知識なく、誰が出てるのかも知らずに観ました。映画館にあったチラシやパンフレットには監督の名前や作品の解説はあるのですが、出演者の名前はまったく触れられていません。アメリカ人にとっては日本の昔の役者の名前なんて意味ないからなんでしょうが、私は知りたかったので、タイトルを一生懸命読もうとしたのですが、映像の状態が荒れているところに英語字幕がかぶっていて、なんだかわけがわからない。
で、誰が誰だかわからないまま観たのですが、主役の菊之助がなんだかすごく色気のある男で気になって、家に帰ってからネットで調べてやっと花柳章太郎と判明。これがあの伝説的な新派の名女形なのかと納得しました。かつて写真を見た時には、なんだかポッテリしてて、どこがいいんだろうと思っていたのですが、動いてるのを見て初めてわかりました。そうと知っていたら、もうちょっとじっくり見ておくんでした。楽屋で足袋を履いて帯を締めるシーンがあるんですが、あんなに優雅にやる人を見たことがありません。
シティの映画館では溝口シリーズも結構お客が入っていたそうですが、さすがに郊外の映画館ではガラガラ。とはいえ、お年寄りのカップル4,5組とそこそこ若いカップル2組(アメリカ郊外の映画館や劇場、レストランでは、お一人様は超マイノリティです)いたので、こういう地味な映画を観るアメリカ人が郊外にも住んでいるんですね。いかにもアメリカ人には受け入れられなさそうなストーリーですが、最後には結構ズルズルと鼻をすする音が聞こえていました。浪花節の威力はポリティカリーコレクトネスより強力なようです。
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投稿者: motokokuroda

アメリカ生活も四半世紀を超えました。お料理から政治まで、興味のおもむくままに。

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