エリーゼのために

「お母さん、タラタラ・ラララララーっていう曲、ええと for Eliseだっけ、あれって誰が作ったの?」
「ベートーベン」
「やっぱりそうだよねえ。K(娘の親友)がモーツァルトだって言うから、そういわれるとsureじゃないし」
うちの娘とKがクラシックの曲を話題にするなんて前代未聞です。なにしろうちの娘は「ショパンって何?」ですから。
「どうしてそんなこと聞くの?」
「Kはコーラスのコンサートに出なかったから、モーツァルトの音楽についてのレポートを書くアサインメントがあって、for Eliseについて書いたんだって。それってベートーベンじゃなかったっけって言ったら、インターネットで調べたらモーツァルトって書いてあったっていうから確かめてみようと思って。やっぱりモーツァルトじゃなかったね。でも、今レポートが書き上がったところなんだって」
インターネットですから、どんなことが書いてあっても驚きはしませんが、モーツァルト作曲「エリーゼのために」という記述のあるサイトに巡り合うのは難しいと思う。うちの娘の「ショパンって何?」状態は、娘の言うとおり、このあたりの子供たちの平均レベルなのかも。
Kは肺炎で10日近く欠席していてコーラスのコンサートに出られなかったのでレポートを出さなければいけないそうです。たかだか1晩のコンサートに欠席しただけで、フルレポート、ていうのはあまりに過酷じゃないかと、Kのお母さんが、この前言っていました。確かにそうです。まあサボり防止なんでしょうが、長期病欠で主要学科に追いつくだけでも大変なのに、「ショパンって何?」レベルの子供にモーツァルトの音楽について述べよっていってもなあ。書き上がったレポートはそのまま提出したんだろうか。

オリンピック中継

アメリカのオリンピックで日本の選手が放映されないのは仕方がない。でも、録画を(日本に比べればたいした時差じゃないのに、夜8時からしか放映しない)ブチブチとぶった切ってコラージュにするのはやめてほしい。フィギアのエキジビションなんか、1人見せると、次はボブスレー。また1人見せて、またボブスレー。よりによってボブスレー。エキジビションなんだから全体の構成ってものもあると思うのだけど、そんなもんは無視。しかも全員のエキジビションは見せない。そりゃ、人気のある演目は小出しにして最後までひっぱる(金メダリストとか目玉選手が出たのは11時過ぎ)というのはわかりますが、内容を損ない過ぎ。視聴者をいらいらさせるようなやり方は絶対お得なことにはならないと思います。
昨夜は7時から閉会式の放映。なぜ日曜の昼間にリアルタイムでやらないんだという不満はさておいて、いきなり1時間近くオリンピックと全然関係ないドキュメンタリー。第2次大戦でイタリアで戦ったアメリカ黒人兵のお話。関連性はイタリアのみ。こういうのは別枠でやってくれ、別枠で。それから50キロレースがあって(あれは面白かった)やっと閉会式だ。で、こちらもぶった切り。頭から火を噴くスケーターが出てきたと思ったらいきなりコマーシャル。コマーシャルが終わるともう国旗掲揚だ。あの火を噴くスケーターはどこに行ったんだ?あ、可愛い女の子が手をつないで立ってるじゃないか。あの子が歌うの?と思って楽しみにしてたらコマーシャル。次のシーンはもうカーニバル部隊の登場。つまり国歌はカット。旗持ちの行進も日本の旗持ちが誰かもわからない(でもアメリカの旗持ちのジョーイ・チークが可愛いからこれは許そう)。選手入場をタラタラうつすのだけど、どこの国の選手か言ってくれないので、開会式を見てない私にはユニフォームじゃどこの選手かわからない。白いユニフォームの東洋人が出てきたときも、日本か中国か韓国かわかりませんでした(後に判明)。
私が開会式を見なかったのは、オリンピックの放映時間にテレビをつけたら、いきなり全然見たくない競技をやってたので、そのまま見そびれてしまったから。閉会式を放送時間の最後にするのはわかるけど、どう考えたって開会式はしょっぱなにやるべきものじゃないのか。
アメリカのテレビの視聴者をひっぱる番組つなぎには、感心するものもあります。私が「やられた」と思ったのは、「アメリカン・アイドル」という超人気番組の直後にコマーシャルもなにもなくいきなり次の番組が始まったとき。「ハウス」という現代版ベン・ケーシーみたいな番組でそこそこの人気番組ではありますが、私は、そんな番組が次にあることさえ知らなかった。で、「アメリカン・アイドル」からいきなり画面が「ハウス」の冒頭になってしまうのです。この手の番組はまず最初に事件が起こってしまってそれから謎解きというのが常道なので、何これ?と思ってるうちに、最後まで見るはめになります。1時間番組のあとには長いコマーシャルとか、日本じゃ天気予報とか3分ものの番組が入るのに慣れていましたが、考えてみれば、これは視聴者にテレビを消す、またはチャンネルを変えるチャンスを与えてるようなもんです。こういうテクニックだったら「やられた」と思いながらも、気分は悪くありません。

トイレが

トイレが壊れました。ていうか、壊しました、私が。
うちのトイレは古いので水タンクの中で水量を調節する浮きの効き方が甘くて、締めておいても、しばらくすると水がわずかですがチョロチョロと流れっぱなしになってしまうので、引越してきて以来、時々気づくと浮きのネジを締めなおしていました。なにしろ水の浪費の90%はこういう締まりの悪いトイレだそうですから。
今朝も、チョロチョロしていたので、いつものようにタンクを開けて、浮きをねじったとたん、バキッと浮きをつないでいる棒が折れてしまったのです。その瞬間、押さえのなくなった水の出口からシューシューと音をたてて湧き出る水。あせりました。すでにタンクは満杯なんだからこのままだったらバスルームが水びたし、2階のバスルームだから下のキッチンまで水びたし、と思うと一瞬めまいがしました。元栓元栓、とさがして、あわてて締めようとしましたが、普段開け閉めするものじゃないので堅くて動かない。タオルを掴んで回してやっと締めました。
とりあえず水は止まったものの、バッキリと折れた浮きの棒は、どうみても修復不可能です。折れた根元の部分、つまり本体にくっついている方の棒を見ると、本体から取り外しはできない作りつけ状態になっている。ということはパーツとしての交換は不可能ということです。たかが浮きのために便器全とっかえかい?と思いましたが、とにかくパーツの有無を調べてみることにしました。インターネットのない頃はみんなこういうことはどうやって調べていたんだろう?などと考えながらGoogle検索。ありました。浮きの棒だけじゃないけど、タンクの中身のメカニズムだけ全部っていうのが。どうも便器本体は変えなくてもすむようです。ホームデポで19ドル。買って帰ってしばらくインストラクションを眺めていましたが、どう考えても自分で付け替えるのはリスクありすぎ。プラマーを雇えば、パーツ代の何倍もかかってしまうけど、後で水漏れとかいうのに比べればと思い、プラマーに電話してメッセージを残しました。来週中に来てもらえるといいなあ、と祈るばかり。

移民局

ずっとのばしのばしにしてきたグリーンカード(永住権)の名前変更にやっと手をつけました。わたしのグリーンカードは離婚前の姓、わたしの日本名と元夫の姓をくっつけた、いわゆるハイフネイティド・ネームというのになっているので、それを他の証明書と同様日本名(旧姓)のみに変更するわけです。免許証、社会保障番号、銀行関連、クライアントの経理全て一応変更は終わっていたんですが、一番めんどうなグリーンカードだけはそのままになっていたのです。
去年、10年毎の書き換えが終わったばかりなのに、去年はまだ離婚証明書ができてなかったので、こういう2度手間になりました。グリーンカードの10年書き換えは、やたらと時間がかかると聞いていたので戦々恐々で望んだのですが、拍子抜けするくらい簡単で、インターネットで書類をファイルして移民局に電話したら、すぐに翌々日のアポイントがとれました。満期書き換えも名前変更も提出書類は同じなので、手続き手順としては同じはずです。億劫ではありますが、今度もやってしまえば、あっという間にすむ、はずでした。
まず、インターネット用の申請書に書き込もうとしていきなり迷った。名前欄には、古い名前(つまり現在移民局にファイルされている名前)を書くのか、それともこれから使う名前を書くのかわからない。なにしろ移民局に出す書類というのは、ちょっと間違うだけで何ヶ月も余計に時間がかかってしまうので、適当に書いておこうというわけにはいきません。で、ウエブページにのっていたお問い合わせ電話に電話してみました。もちろん、録音サービスが延々と続き、おいそれと人間は出てきません。15分くらい待たされてやっと、人間が出てきました。
「今、Eファイルの書類を書き込んでて、わからないところがあるので聞きたいんですけど」
「Eファイルなら担当が違うからそっちにまわします」
「いや、別にテクニカルなことじゃなくて書類の内容ですから」
「でもEファイルの担当は違います」
「また15分待たされるんですか」
「いえ、すぐにまわします」
たしかに30秒くらいで違う人が出てきました。
「これこれしかじかで名前の欄には何て書けばいいんですか」
「内容については移民局オフィサーが担当なのでそちらにまわします」
だから、言ったじゃないか。で、今度は最初の録音サービスに逆戻り、また10分ほど待ったところで、つながったかと思ったら突然ブチっと切られる。
またかけなおす。また15分以上待って人が出てくる。やっと正解の「新しい名前を記入する」にたどりつく。
さて、送信して、今度は予約の電話。離婚証明書を持って行って、指紋をとったり写真を撮ったりする予約が必要だからです。前回は電話もすぐつながって簡単だったので、そのつもりで電話すると、また15分待ち。で、予約係が出てきていうには、
「予約の日時の指定は後日郵送されます」
「半年前にやった時には電話ですぐ予約が取れたんですけど」
「半年前とは規則が変わったんです」
移民局の得意技、規則の早代わり。問答無用です。
「すぐできると思って、Eファイルしてしまったんですけど、1ヵ月後に日本に行くまでに予約がとれなかったらどうなるんですか。書類だけがシステムにファイルされていて、手続きが承認されてない状態でちゃんと入国できるんですか」
「別の予約をとってスタンプをもらう必要があるかもしれません。ここではわからないのでボーダープロテクション(入国管理局)に電話して聞いてください」
4月に子連れで日本に行く予定なのに、入国で私だけひっかかったりしたら最悪。教えられた入国管理局の電話番号にかけると、また延々と録音サービスが。が、こちらは移民局よりはすいていて5分くらいで出てくる。
「これこれしかじかなんですけど」
「Eファイルした書類のレシートをプリントアウトしたものと、離婚証明書を持っていきなさい。」
「特別なスタンプとかは要らないんですね」
「今、言ったとおりです」
どうしてそういう言い方するかなあ。
日本のビザについての本を書くために日本に住むアメリカ人に取材したとき、日本の入国管理の役所はまるで人を犯罪者のように扱う、と文句をたれていました。アメリカの移民局もまったく同じなので可笑しくなってしまいました。自分の国の移民局や入国管理局には縁がないのが普通ですから、みんな外国の移民局はひどいと思ってるんですね。たぶん世界中の移民局や入国管理局が似たりよったりなんだと思う。
 

オリンピック

最近、日本からのEメールで「アメリカではトリノは盛り上がってますか」と聞かれることがあります。一応、関連記事がニューヨークタイムズの1面に2,3日に1度は出てるし、中継も毎日あるので、「それなりに盛り上がってます」と答えていたのですが、どうも日本とは盛り上がり方レベルが違うことに気づきました。オリンピックの中継だって放映権を持ってる全国ネットのNBCは夜の8時から12時まで録画したのをダイジェストで流すだけだし。日本の人がオリンピックのせいで寝不足になるっていうのがリアルタイムで見るからだってことに最近やっと気づきました。そもそもわたし自身、スポーツ観戦に興味がないので、盛り上がってるかどうかということにも関心があまりなかったのです。
でも、不思議なもので、やっぱり日本の選手が出ていると、応援してしまいます。といっても日本人選手がダイジェスト放映に入ってることはめったにありませんが。さすがに今日の女子フィギアは出てました。で、このNBCのフィギアスケートの解説している女の方がものすごく感じ悪い。荒川静香が滑り終わったあとも、サーシャ・コーエンとロシアの選手の方が明らかに上で、この子はミスをしなかっただけみたいな口ぶり。男の解説者はよく見る小柄なスケート選手(なんていったっけ名前が出てこない)で、誰に対しても好意的なコメントをしてそつがないのだけど、女の解説者の方は荒川静香にだけじゃなくて日本の選手に対するコメントがやたら棘がある。まあ、ある意味言ってることは当たってるんだけど。パフォーマーとしての華はサーシャ・コーエンとロシアの選手の方が確かに上だし。
日本の選手が勝ったところで、わたしが頑張ったわけでも勝ったわけでもないし、個人の才能と努力を国に帰属させるオリンピックのシステムそのものもいかがなものか、と常々思っています。それなのに、こういうことに腹をたてる矛盾。日本に住んでたら、「やっぱり日本の選手は技術はあっても見せ方が今一つだよね」くらいの、まるでNBCの解説者のようなことを言ってたんじゃないかと思う。他人にゃ言われたくねえやってやつでしょうか。

ウッドベリーコモン

6年ぶりくらいにウッドベリーコモン(大型アウトレットモール)に行ってきました。元夫が冬休みをもてあましてる娘を連れて行くのに、元夫の妹と私も加わることになったからです。車で1時間くらいの距離があり(このあたりで1時間というのは80キロくらいはある)、1人きりで行くのはめんどくさいから人に運転してもらって行こうという魂胆です、全員が。言いだしっぺの元夫は、妹の車に便乗するつもりで妹を誘ったらしい(彼女が3人の中で一番いい車を持っている)。が、元義妹の車は先週、夜道で鹿をはねて前がへこんでしまい(このあたりではよくあります)、現在ショップ入り中であることが判明。ええかっこしいの元夫の車は、2ドアで3人以上で乗るにはあまりに狭い。で、人と荷物を積むのに最適な「アメリカ郊外お母さん仕様」の私の車がリクルートされたわけです。ただし、私も運転はしたくないので結局運転は元夫。お疲れさん。
久しぶりのウッドベリーコモンはしばらく見ない間にさらに店が増えたような気がします。ものすごく広い。あと、アジア人が減って、ヨーロッパ人がすごく増えていました。強いユーロを反映して、このところマンハッタンで不動産を買うヨーロピアンというバブル時の日本人みたいな現象がおきているのは知っていましたが、それにしてもヨーロッパからの旅行者だらけ。5、6年前に来たときには日本人をずい分みかけましたが、今回は日本人には1組しかでくわしませんでした。
アウトレットモールは、とりたてて欲しくなるものがないわりに、遠くまで来たからとつい要らないものを買ってしまうので、1回来ればもう、そう何度も来たくなるところじゃないのかも。わたしも久しぶりに行って、着いて5分で後悔。たしかに安いものは安いのだけど、欲しいものがない。今度行くのはきっとまた5,6年後。この後悔を忘れた頃だと思います。

冬休み

この時期アメリカの学校は1週間の冬休みです。こういう半端なことをしないで正月に一気に休みにしてくれれば日本に帰れるのに。学校区によって休みの時期は若干違いますが、このあたりの学校は今日のプレジデントデー(たしかワシントンの誕生日)から1週間お休み。わたしの仕事は別に休みじゃないので、とても鬱陶しい。
娘はスノーボードに連れて行けとうるさいのですが、なにしろ記録的な暖冬ですから、先週の大雪の後もとてもあったかくて、雪はあらかた溶けてしまいました。金曜日には雨も降ったし。それが、昨日から急激に冷え込んでいます。つまりスキー場はガリガリバリバリのアイスバーンでものすごく寒いわけです。絶対行きたくない。
早く春にならないかなあ。