琴ツアー2:ナビゲーター

さて、琴ツアーですが、バン3台の各車にドライバー2人が配置されますが、わたしはそのドライバーの1人でした。ニューヨークには車も免許もない人が多いのでボランティアしたわけです。が、レンタカー屋で15人乗りバンの実物を見てびびりました。ほとんどバス。自慢じゃありませんが、わたしは、月平均1000マイルくらいは運転してるにも関わらず車幅感覚が異常に劣っています。ストレッチリモでも停められそうな場所に普通車をいれられない、百万回切り返しても同じ場所にいる、というちょっと真似のできないレベルです。だもんで、運転はドライブ・パートナーの三味線ボーイに押し付けました。予定では、交替で運転することになってたんですが、わたしはナビゲーターするからね、若いから大丈夫だよね、と勝手に役割分担。

バンのドライバーは1号車がゲストアーティストの尺八奏者。2号車が師匠。3号車が三味線ボーイです。1号車のドライバー、尺八奏者は流暢な日本語をあやつるスイス人で、日頃からコンサートツアーが多いので大型車の長距離移動には慣れています。そこでルート決定および先行車担当。後続の車は1号車についていけば安心なはずでした。が、マンハッタンを離れたとたんに1号車との距離は広がるばかり。ヨーロピアンの尺八奏者は後続を気にすることなくガンガン飛ばします。これは各車、自力でルートを確保するしかありません。2号車の師匠はハンドルを握ると性格が変わるタイプで、日頃運転しないマンハッタン在住者にも関わらず、こちらもガンガンとばします。別に三味線ボーイの運転がトロいわけでは全然ないのですが、とにかく他が速い。運転速度に関してはフロリダのグランマ並みの安全運転と言われるわたしが運転してなくて本当に良かった。でもまあ、基本的にはハイウエイに乗ってしまえば1本道です。メリーランドに着いてからのローカルの道は細かいディレクションが配布されていたので、全車、無事に目的地に着きました。

そして、メリーランドでのコンサートを終了したあと、片付けて食事をしてホテルに入ったのが夜中の2時、翌朝9時にはDCに向かって、慌しくセッティング、リハーサル、コンサートと全予定を終了して帰路についたのは8時近く。みんなヘロヘロに疲れきっています。帰りは往きよりさらに長いドライブで、今日中に着けたらラッキーぐらいの覚悟。で、わたしは、尺八奏者が出掛けに「往きは大丈夫だよ、まっすぐだから。帰りはちょっと難しいけど」と言ってたことを思い出しました。そこで、なにが難しいの?ときくと「往きはニュージャージー・ターンパイクをまっすぐ行けば、そのままルート95に入ったけど、帰りはウィリングトンを過ぎたら、ルート95をフォローしないで、もう一つの道に行くんだ。」と言います。そのまま間違って95の方に行くとどこ行くの?ときくと、「フィラデルフィアに行って、どこかで道がなくなる」そうですが、「でも、ニュージャージー・ターンパイクはこっちって書いてあるから、大丈夫」なはずでした。

わたしも三味線ボーイも道路標示は気をつけて見ていましたが、絶対にどこにもニュージャージー・ターンパイクなんて書いてありませんでした。で、突然現れた巨大な看板「Welcome to Pennsylvania」。わたしらが行かなきゃならないのはペンシルバニアじゃなくて、ニュージャージーです。どこかで分岐点を見逃したに違いありません。やがて現れたフィラデルフィア方面の表示。こういう時のために持参していたアメリカ全土道路地図を見ると、ルート95はフィラデルフィアの少し先まで、ニュージャージー・ターンパイクとほぼ平行して走ってますが、間には州境の川があって間をつなぐ主要道路はありません。ローカルの道はないわけないんですが、州地図ではそこまではわかりません。別の車で帰途についているフィラデルフィア在住の三味線ボーイズの一人に携帯できくと「95は最終的にはニュージャージー・ターンパイクに合流するから大丈夫だよ」といいます。地図で見ると、たしかにトレントンを過ぎたあたりで、大きくU字を書いてニュージャージー・ターンパイクのあたりで終わっています。が、どう見ても30分以上、下手すると1時間近くロスしそうな回り道です。どういうわけか、アメリカ人はめったに地図を見ないので、フィラデルフィア三味線ボーイも経験的にルート95がどこに行くかは知っていても、地図で確認したことはないにちがいない。1分でも早く家に帰りたいのに、そんなまわり道は全然大丈夫じゃありません。しかも、荷物を効率よく詰めるために、1号車は人車、2号車は楽器車、3号車はスーツケース車となっているので、わたしたちが着かなきゃ誰も帰れないのです。

さらに心配はもう一つありました。ガソリンがほとんどない。なぜかというと、ニュージャージーまでもたせるつもりで出掛けに給油しなかったから。ニュージャージーは周辺各州に比べてガソリンにかかる税率が低いので、ニュージャージーのガソリンは、いつでもガロンあたり30セントくらい安い。大型車で20ガロンいれたら6ドル違います。ですからガソリンは一番のニュージャージー名物。ニュージャージーを通過する場合はニュージャージーで給油が常識です。主要道路は、どこもニュージャージーに入ったとたんにガソリンスタンドがあります。で、州境に沿ってペンシルバニア側を走っているとどうなるかというと、ガソリンスタンドがない。メジャーなハイウエイですから全くないわけじゃないんでしょうが、あきらかに少ない。ここは、どうしてもガス欠になる前にニュージャージーに入りたいところです。

地図をさらにようく見ると、主要道路ではないけど、ニュージャージー・ターンパイクにつながっているライン、ルート63があります。ちょうどタイミングよく、目の前にルート63方面という出口が現れたので、だめもとでトライすることにしました。ハイウエイを降りると、そこは、見事な倉庫街、絶対に一人で外を歩きたくないようなエリアです。63の表示に沿って人っ子一人いないローカルロードを行くと、目の前に橋。とにかく橋さえわたればニュージャージーです。ニュージャージーに入ったとたんにガソリンスタンドがボコボコあります。とりあえず給油してニュージャージー・ターンパイクへのディレクションをたずねると「真っ直ぐ行くだけ。そのうちに表示が出てくるよ」といわれました。正解だったわけです。しばらく行くと運転していた三味線ボーイが「ニュージャージー・ターンパイクの表示が今あった」と言います。わたしはまるっきり気付かなかったので「どこ?」というと「NJTPって頭文字だけが書いてあった」といいます。さらに気をつけて見ていると、ありました。○にNJTPのロゴマークと矢印が。きっとわたしらが見落とした分岐点にも、このロゴマークがどっかに着いていたのです。だけど、これって○に中で中央高速の道路標示にしてるようなもんです。しかもこの頭文字がロゴ化されてるので、よけい読みにくい。いくらなんでも重要な分岐点で、これはないんじゃないか。だからニュージャージーの道路表示は嫌いなんだよ。ニュージャージー・ターンパイクくらいフルワードで書いてくれ、ニュージャージー。

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投稿者: motokokuroda

アメリカ生活も四半世紀を超えました。お料理から政治まで、興味のおもむくままに。

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