春だっ!

雲ひとつない青空に、気温はなんと60度近い(摂氏だと13度くらいか)。まだ雪は全部とけきってないけど、ハゲになった地面から水仙の芽が出てたりして、ほんとに春。ニューヨークの郊外に引越してから春が来るのは東京にいたときの10倍くらい嬉しい。ニュージャージャーの川沿いじゃあ雪解け水と雨で大変な洪水らしいですが。暖かくなると湿度もぐんと上がるような感じで家のベースメントが湿気た臭いになってきました。あと1ヶ月もしたら除湿機をかけないといけなくなります。なんでもほどほどってことがないんだよね、この国は。

娘は学校から半そでシャツ1枚で帰ってきました。「暑い」って言うんですが、そんなに暑いわけないって。とりあえずジャケットを脱げる気候になったのがうれしいらしくて、子供たちは競って薄着になります。生足にサンダル履き、へそがでそうなチビシャツ1枚で学校に行くティーンエイジャーもいて、こいつらの体はどうなってるのかと思います。

ミミズのスプラッタ

どよーんとしてますが雨が上がりました。で、湿度と気温が高いんで(華氏50度くらい)なまあったかい。こういう天気の日に必ず見られるのが道路いっぱいに流されたミミズ。雪どけの水と雨が道路をつたって低い方に向けて流れていくわけですが、ミミズさんたちが大量に、ほんとに足の踏み場もないくらい流されてきます。ほとんどは動かない(たぶん死んでる)んですが、中にはまだウネウネしてるのもいる。シティから引越してきて初めてドライブウエイいっぱいのミミズを見たときには卒倒しそうになりましたが、今じゃ当たり前です。踏まないようによけるのが大変だけど。歩くときはよけますが、車はよけようがないので、たぶん轢いてるんだろうけど、見ないようにします。いつも晴れ上がって次の日くらいになると消えているのが不思議なんですが、鳥にでも食べられてるんだろうか。

朝からずうっと雨。アメリカ東海岸の4月っていうのは雨の季節なんですが、それにしてもしつこい雨。さんざん積もった雪も溶けて流れるので洪水注意報の出てるところもあるみたいです。うちのあたりはどちらかというと山の方なので、洪水になるってことはありませんが。でもまあ、よく降ること。仕事もたまってるので、家にこもって仕事するにはうってつけの天気ではありますが。今日からキッチンがないつもりで冷蔵庫もほぼ空っぽなんですが、雨だと買い物にも行きたくない。だから徹底的にあるものだけでごはんにします。野菜はセロリしかなかったので、セロリのきんぴら。これは娘の好物でもあります。ななめに薄切りにしてオリーブオイルで炒めて薄口醤油と味醂で味付けてかつおぶしをまぶします。酒のつまみにもご飯にも合います。こっちのセロリは一株がとんでもなく大きいので、きんぴらにでもしないと食べきれないってこともあるんですが。あとは切干大根とわかめの味噌汁(乾物はある)。毎日こういうものだけ食べてれば太らないで済むんだろうけどな。

リビング・ウイル

明日からキッチンの改装工事が始まる予定で、キャビネットの中のものを箱詰めしたり、忙しい中、結構真剣に準備してたのに、昨日キッチン屋から電話があって、キャビネットの配送が遅れるから工事開始は1週間先送りということになりました。まあ、いろんな事が間に合ってなかったんで、ホッとした面もあるんですが、のっけからこれじゃ先が思いやられます。

ここ1週間、こっちで毎日ニュースになってるのは、フロリダで死にかけてる女性を助けるか、自然にまかせて死なせるか、ということ。この人は30代で、もう10年以上も前に摂食障害から心臓麻痺を起して、命は助かったものの重い脳障害が残りました。自力で飲食ができないので、チューブによる人工栄養摂取が必要です。知能障害がどれくらいかは知りませんが、とにかく自分の意志を表明はできない。で、このまま、人工的にでも生かし続けたいという両親と、もう栄養補給水分補給を停止して死なせようという夫とが対立してるわけです。で、この夫っていうのがいかにもあやしげなヤツで、既に内縁の妻との間に二人の子供もいて(一応まだ結婚してるので、再婚はできない)、死にかけてる妻の医療過誤訴訟を起して慰謝料を1億円近く手にしていたりします。で、このごに及んで突然、妻は人工的に生かされるのは望んでいなかったとか言ってライフサポートを切ろうとしている。両親の方は、もうほっといてくれていいから、娘のケアをこっちにまかせてくれと言ってるわけです。ところが、法的に妻のケアの決定権を持っているのが夫なので、夫が拒否したいじょう病院としては人工栄養補給は停止せざるを得ない、というわけで、停止してから既に10日以上がたっていて、何時死んでもおかしくない状態になってるわけです。どう考えても世間の同情は両親の方に集まります。病院の前にはダイハードなクリスチャンが集まって、お祈りするやらプロテストするやら大変な騒ぎになっています。で、他にも大騒ぎしてるのはジョージ・ブッシュの兄ちゃん(弟だったっけ)のフロリダ知事、ジェブ・ブッシュ。あのあやしげな夫と、同情を集めている両親が、反プロチョイス、プロライフ万歳みたいなことに使われるのはすごく嫌。が、それよりも私が気になるのはリビング・ウイルっていうやつです。

Willっていうのは遺書ですが、自分が意志を表明できなくなった時のために自分の医療ケアについての意志を書き残すっていうのがリビング・ウイル。なぜ、それが気になるかというと、今、私のを作成中だから。思うところがあって作ってるとかいうのではなくて、普通の遺書のおまけでついてきたからなんです。では、なぜ本編の遺書作成中かというと、これも離婚手続きの一貫です。私の遺書第一号はもう5,6年前に作成されていました。なぜ作成されたかというと、元夫の遺書とセット価格だったから。アメリカでは、子供が成人する前に遺書なしで死ぬと、子供の後見人指定や遺産の相続がえらいめんどくさいことになります。下手をすると、法的手続きの手数料をがっぽり取られかねない。で、その子供のこともあって私の遺書も必要だったわけです。が、離婚すれば、当然相続人が変わりますから、遺書は書き換えなきゃならない。で、それを依頼した弁護士(遺書作成には必ず弁護士が必要)が、今度はリビング・ウイルをセットにしてくれたわけです。もちろん遺書には雛形かありまして、穴埋め形式になっています。誰を代理人に指定するかとか必要なことを書き込んで、変更したいところは変更してもらいます。でも、いかにも法的な小難しい表現ばかりなので、はっきり言って何が書いてあるのが読んでもよくわかんない。でもわかったかぎりでは、force feeding は望まない、とある。つまり人工的なチューブ栄養はやめてくれってことですね。どうもそれが雛形らしい。何の楽しみもなく生かされてるだけってのは誰だって有難くないだろうってことなのでしょう。ここで、やっと話がつながったわけですが、最初に読んだときには深く考えもしなかったんですが、ここ何日かの報道を見るにつけ、人工栄養補給停止っていうのは人工呼吸器や、人工的に心臓を動かすのを停めるのとはちょっとわけがちがうというのがわかりました。呼吸や鼓動と違って、停めてもすぐには死なない。これって自然に飢え死にさせるってことじゃないか。マスコミにアピールするためとはいえ、例のフロリダの女性の両親の娘の描写がすごく恐い。脱水状態で皮膚がボロボロとか、あちこちから出血してるとか。そういう自然っていうのはあんまり有難くない。でまた、代理人というのが、アメリカに娘以外の家族がいない身としては決めかねるものもあります。というわけで、既に片付けなきゃならない書類山の一番下の方にうまってる遺書のドラフトは、さらに熟成がすすみそうです。

雪っ!

もうすぐ4月だっていうのにまた雪。気温がぎりぎりの33度なので、じめっと重い雪で道路は凍結防止の塩が撒いてあるので、ほとんど積もっていません。でも、車には雪が積もってて、このまま明け方に気温が下がって解けかけた雪が凍ったらえらいことなので、夜中に車の雪下ろし。寒くはないからいいようなものの、じめじめしてかないません。

来週からキッチンの改装工事に入るので、キッチンなしの食生活に備えて、買出しにいきました。そしたら、スーパーで、元夫の妹の元夫に6年ぶり(元夫の妹の離婚以来)にバッタリでくわしました。再婚したという話は聞いていましたが、ハッピーだそうで、冗談のつもりで「またベイビーっていうのはどう?」と聞くと、まんざらでもない様子で「僕はもう58歳だから、これから子供にはちょっと年とりすぎてるかなあと思ってたんだけど、最近そうでもないかな、とも思うんだよね」とマジで言われました。この手の第2ラウンドのお父さんはアメリカじゃ珍しくありませんが、それにしてもご苦労さんだ。

マンハッタン

今週1週間娘の学校が春休みなので、娘とその友達1人を連れてマンハッタンに行ってきました。娘はつい1年前まで、シティなんか嫌いだから行きたくないと言っていたんですが、最近急に興味を覚えたようで、何をしたいか、と聞くと「ショッピング」だといいます。どうも、田舎のモールにはないような格好いいものがあると思っているらしい。まあ、確かにあるんですけどね、値段に問題があるだけで。「子供の買えるようなお洋服はないよ」と一応くぎをさして、行きました。まず、ソーホー。街中がショッピングモールみたいなもんですから、彼女らはいちいち入ってチェックする。モールに出店してるのと同じブランドの店でも、マンハッタンの方が品数も多ければディスプレイだって垢抜けてるので、それなりに面白いらしい。pumaだのreviseだのSteve Maddenだのモールでもおなじみのブランドは彼女らにも一応理解可能な範囲の価格帯ですが、プラダなんかになると、値札を見て目が点。ショップというより観光名所となっているソーホーのプラダはできたばかりの頃に比べると、なんだかずいぶんくたびれていて、薄汚れた感じになってました。しかも店中にチャイニーズレストランのキッチンみたいな臭いが漂っている。わずかなんですが、高級ブランドショップにこれくらいふさわしくない臭いもないので、すごく気になります。娘が陳列してある商品を見て「それで、あのブラードはどこにあるの?」と聞きます。「ほら、ここにロゴがついてるじゃない」と言うと、「あ、間違えてた」と言いました。子供らの知ってるブランドと知らないブランドというのが面白くて、チェックしたがる店が意外。ドルチェ&ガバーナ、アルマーニなんかは知らないので興味がない。コーチ、シャネル、ルイ・ヴィトンはチェック。これはきっと彼らがまだブランドの名前を母親経由で学んでいるからです。意外だったのはバーバリ。こんな渋いブランド、なんで、と思ったけど、バーバリのバッグを持ってる子がいるそうで、若い子の間で流行ってるんだろうか?で、バーバリに入った娘が「ああ、このプラードだ」。プラードっていうのはPradaじゃなくて、plaid(タータンチェック)だったんですね。クソ生意気なこというわりにはプラダとバーバリの区別もついてなかったわけです。当分は安心です。

お買い物

モールでお買い物。娘があんまりうるさく「着るものがない」と騒ぐので、トレーナーとジーンズを買いに。最近ブランドにこだわりだした娘のお洋服および靴代は上昇の一途をたどっているので、予算制にすることにしました。秋の新学期が来るまでの娘の服飾費、つまり春夏物予算は300ドル。ちょっと大盤振る舞いかな、とも思うけど新しいスニーカーや夏のサンダルは必ず必要になるので、この予算でもそれなりに工夫しないとやりくりできないはず。ブランドにこだわるのは勝手だが、そのかわり自分で予算と相談してもらいましょうというわけです。

で、モールでは、娘はご贔屓ブランド、アバクロンビに直行。ちっこいジーンズ59ドル!「あのね、お母さんはね、ジーンズに30ドル以上出したことなんてないよ。ほとんどセールで20ドル以下だよ。まあ、いいんだけどね、それだけ後で買えるものが少なくなるだけだから」「でも、これ格好いいんだよ」。確かに珍しく娘の体型にあっていてGAPのジーンズよりかっこいい。よし、次はトレーナーというわけで(アバクロンビにはトレーナーはなかった)アメリカン・イーグルに向かおうとすると、お隣のバナナ・リパブリックがセール。ついでだからと入って、セールになってる明るいピンクのシャツを見ていたら、娘が珍しく「それいいね」言います。「でも、セールになっても38ドルかあ。どうしよかなあ」と言うと、「たまにはお母さんも自分をトリートした方がいいよ。それにお母さんに似合うしさ」だそうで、娘の営業トークパワー全開。お世辞を言ったところで予算は増えるわけじゃありませんが、59ドルのジーンズにちょっと気がひけてるらしい。結局買いました。「お母さんいつも黒とかモスグリーンとかばっかり着てるからさあ、春だし明るい色がいいよ。明るい色着てるとフレンドリーに見えるよ」娘の営業トークますます絶好調。「そおかあ。明るい色着てればボーイフレンドできるかなあ」「・・・・・・・・」

娘がこの後購入したのは、パックサンで2枚で53ドルのトレーナーと、アエロポールでベルト14ドル。残り予算174ドル。